13、幸福すいーつ ページ13
××
大食堂の厨房は使い勝手も良いし、何より広々としていた。オンボロ寮のキッチンも広いといえば広いけど、長年使われていなかっただけあって錆びてるし、一部の機械は使えないし。
「よーし……」
まず、ボウルに白玉粉と絹ごし豆腐、ホットケーキミックスとヨーグルト……とにかく買ったもの全てを入れて混ぜ合わせる。掃除が得意で料理も得意なんて少女漫画ヒロインの定番中の定番だし、実質私は少女漫画のヒロインかもしれない。
「───おっと、先客がいたか」
柔らかな低い声が聞こえて、視線を動かせば黒縁眼鏡をかけたイケメンが立っていた。かっこよ！顔立ちに加え、なかなかの高身長でスタイルまで良い。かっこよ！
「ええっと、確か清掃員の……」
「あ、えっ、あ、A……です」
「俺はトレイ・クローバー。良かったらこの厨房、俺も使って良いかな？」
「えっ、はい、そりゃもちろん」
「助かるよ」
見知らぬ男子高生はそう笑ったが、何かを作る気配はなく静かに私の手元を眺めていた。ク、クソやりずらいんですけど……居心地の悪さを感じたまま、生地をドーナツ型に整えていく。
「油は160度くらいで良いか？」
「あっ、はいそれくらいで……ん？」
「ん？」
めちゃくちゃナチュラルに手伝われている。
イ、イケメンだ……お礼を言ってからドーナツを油の中に入れた。「お菓子作りは得意なのか？」と問われ、小さく頷く。
「へえ……実は俺もこれから一年たちとタルトを作るんだ。良かったら一緒に食べないか？」
「えっ、あ……でも」
一年たち、ということは一人二人ではないだろうし何より知らない人の中に放り込まれるのはちょっと……どうせ、私は話についていけずぼっちになるのは目に見えている。
「あ、そろそろなんじゃないか？」
「わっ、本当だ」
揚げたてほやほやのドーナツを油から出して、眼鏡男子が持ってきてくれた皿に並べる。最後の仕上げとしてはちみつやチョコレートをかければ、ドーナツの完成だ。
「あの……良かったら食べますか？」
「え、良いのか？」
「は、はい。手伝ってくださったお礼に」
「じゃあお言葉に甘えさせてもらおうかな」
椅子を持って来て、ティータイムを楽しんだ。
どこぞのケモミミ男子と違って全部食べ尽くすこともタッパーを取り出すこともなかったので良い人だと思う。
「生地に弾力感があって美味いな。ここまでもっちりしたドーナツを食べたのは初めてだ」
イケメンだ。
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柊あんず(プロフ) - ユノンさん» まだそこまで詳しくは言えないですが、現時点で誰よりも特別なのは間違いないです…！(これ以上はチャットになりかねないので失礼します…！) (2022年7月11日 15時) (
レス) id: 69139934db (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 柊あんずさん» デュースと夢主人公は恋人になりますか? (2022年7月11日 15時) (レス) id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
柊あんず(プロフ) - ユノンさん» ありがとうございます〜！デュースくんとはたくさん絡ませていくのでお楽しみに笑 お気遣いくださり本当にありがとうございます！ (2022年7月11日 13時) (レス) id: 69139934db (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 柊あんずさん» 夢主人公とデュースの絡みが見てみたいです (2022年7月11日 12時) (レス) id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 更新はゆっくりでいいですよ (2022年7月11日 8時) (レス) id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
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