10、すべてぶれすと ページ10
××
五分ジャストで、私は無事に浴場から脱出することが出来た。扉の前ではねちっこ男が仁王立ちしていて、借金取りに追われる人の気持ちがわかったような気がした。
「へ、へへ……良いシャワーでした〜
そ、それじゃあ……」
「あの言葉、もちろんわかってるよねぇ？」
「へ、へい……」
そそくさと浴場を後にし、扉の近くにあった乾燥機に服を入れた。シャワーを浴びるだけなのに命の危険を感じたのは初めてだったけれど、お陰さまで臭いも取れたし……早く帰ろう……身を震わせながらセーラーに着替える。
(バスローブは洗って返せば良いよね……洗わなかったらまたなんか言われそうだし……)
そのとき、あまりにも慌てすぎていた私はとあることに気がつかなかった。
◆
「なんか……胸がスースーする……」
違和感に気がついたのは、例の寮を出てすぐのことだった。胸のあたりが妙に風通しが良いというか……解放感があるというか……
(……ま、まさか……)
まさか、そんな、まさか。
恐る恐る上から胸元を覗いて見る。
言葉を失った。そう。たとえば───私にもう少しだけ胸があればもっと早くその違和感に気がつくことが出来たのだろう。しかし現実はそうはならなかった。そうはならなかったんだよ、ロック───
(どうしよどうしよどうしよ戻るべき？戻るべき！？
え？なんて言うの？「下着忘れたんで取りに来ました」？いやそんなことするくらいなら死んだ方がマシだ。つかもう私今死ぬべきなんじゃね？今こそ井戸に飛び降りるべきなんじゃね？)
「もぅﾏﾁﾞ無理……井戸行こ……」
メンヘラモードへと陥った私が中庭へと足を踏み出したとき、見覚えのある毛玉が私の顔面に飛び付いてきた。この躍動感。この毛並み。このずっしり感。
「な、謎生物……」
「良いから匿えなんだゾ！」
「は、はあ！？君、授業は！？」
「オレ様、つまんない授業なんかやってられないんだゾ！それにオレ様は天才だから授業なんて受けなくてもいざとなったらバーンとデカい魔法を、」
「グリムーー！」
遠くから彼の名を呼ぶ監督生くんの声が聞こえてきて、謎生物は慌てたように私の腕にしがみついた。そのコアラみたいな愛らしさに不覚にも胸が高鳴る。
「……こんなことしてもすぐ捕まると思うんだけれど」
「オマエは授業がないから気楽でいられるだけなんだゾ」
「雑用係に戻りたいなら私から先生に伝えておいてあげよっか」
「ふなっ……！そ、それは……」
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柊あんず(プロフ) - ユノンさん» まだそこまで詳しくは言えないですが、現時点で誰よりも特別なのは間違いないです…！(これ以上はチャットになりかねないので失礼します…！) (2022年7月11日 15時) (
レス) id: 69139934db (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 柊あんずさん» デュースと夢主人公は恋人になりますか? (2022年7月11日 15時) (レス) id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
柊あんず(プロフ) - ユノンさん» ありがとうございます〜！デュースくんとはたくさん絡ませていくのでお楽しみに笑 お気遣いくださり本当にありがとうございます！ (2022年7月11日 13時) (レス) id: 69139934db (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 柊あんずさん» 夢主人公とデュースの絡みが見てみたいです (2022年7月11日 12時) (レス) id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 更新はゆっくりでいいですよ (2022年7月11日 8時) (レス) id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
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