橙色の真相 四 ページ11
「毎年、水月と二人で行ってるので、良ければと思ったんですけど……」
私はその誘いが嬉しかった。普段、あまり積極的に皆と遊ぶ方ではないし、友人は蒼とトミ、文芸部の後輩くらいのもので、親友と呼べる人物もいない。
「ううん、誘ってくれてありがとう。でも、初詣はちょっと事情があるんだよね……」
毎年、初詣は母の実家にある神社で行っている。恒例行事のようなもので、どうしても外せないのだ。
「そうですか……いや、俺の方こそすいません。白雪先輩にも事情があるのに……」
一つ、訊いても良いですか、と大木くんは言う。
「あの男の人……赤松さん、学校の先生方から、桜の噂を広めた犯人を見つけろって頼まれた、って言ってたんですけど、本当ですか……？」
「え？ うーん……まぁ、あの人はあんなだけど、一応信頼出来ると思うから……」
嘘だ。本当は、信用しない方が身のためだよ、と言いたい。だが、なるべく大木くんを不安にさせたくないのだ。
「……そうですか。でも、何で俺を知って……」「ごめん、お待たせ二人共！ 今からちょっと出かけられる？」
読んだかのようなタイミングで部屋に戻って来た赤松さんに、私は呆れつつも「どこへですか？」と返す。
「学校までなんだけど……どうする？ 自転車で行く？」
「じゃあ私は自転車で……大木くんは？」
「あ、じゃあ、俺も真白先輩について行きます」
親近感の表れだろうか。真白先輩、と言った彼の表情は、さっきより明るくなる。
「俺はちょっと遅れて行くから……校庭の、桜の木の下に集合で良い？」
「……あの桜ですか……」
一瞬、気まずげにした大木くんだったが、すぐに「……謝らなくちゃな」と呟いて、私と共に学校へ向かう事にした。
＊このページはまた更新します。＊
続く
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くろーさぎ(プロフ) - 造山監督帯( ⊇･ω･⊇)~ｷﾉｺ~ﾉｺﾉｺ~さん» コメントありがとうございます！(≧∇≦) (2019年8月21日 7時) (
レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
造山監督帯( ⊇･ω･⊇)~ｷﾉｺ~ﾉｺﾉｺ~ - ((((；ﾟДﾟ))))))) (2019年8月21日 1時) (レス) id: e5491ec8cb (このIDを非表示/違反報告)
くろーさぎ(プロフ) - サルンラップさん» コメントありがとうございます！！咲良ちゃんは個人的にお気に入りですww閲覧ありがとうございました！！ (2019年7月29日 18時) (レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
サルンラップ - すごい面白いです！咲良ちゃんなんか好きだなあw更新頑張ってください！ (2019年7月29日 18時) (レス) id: 306dfa2dd3 (このIDを非表示/違反報告)
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