美しき異常者たち【両角】 (ページ8)

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・ページ8

『ねぇ、両角くん。……楽しいことが起こりそうってもしかして…これのこと？』

私が手にしたのは、何冊も部屋に山積みに積み上げられた【ライジングサン】という週刊マンガ雑誌。

その中の【 34 】というマンガだけ、切り抜きやら付箋やらが施されており、

そしてあれだけ綺麗にしていたはずの部屋は荒れ放題だった。

無論、荒れている理由はその切り抜きが壁一面に貼られたり、チェックが入れられたりしているためだ。

私の言葉を聞いているのか居ないのか、窓際のスペースに座り、血眼になってその漫画を読み漁っている。

しばらく反応を待っても返事はなく、ふぅ…とため息をついて、一冊手に取ってみた。

ぱら、ぱら

『なるほど、ね』

【 34 】に描かれていたのは、両角くんにそっくりのダガーというキャラと、スキナーという、私にそっくりのキャラクターだった。

どちらも存在するナイフの種類の名前だが…描いたのは十中八九、あの記念日の日私たちを見た彼だろう。

私は見ていた。

尻もちを着いた彼の手元に、一冊のスケッチブックがあったのを。

『なるほどねぇ… 』

「んね、面白いでしょ？」

『わっ…とと、危ないでしょ…ダガーくん？』

納得してにんまりと笑った私の後ろからぎゅむー、と押しつぶすように抱きついてのしかかってきたのは、ダガーもとい、両角くんだった。

「んふふ、作品にしてくれるなんて嬉しいな、あーっ興奮するなぁ！ねぇ、スキナー？」

『うん、そうね……すっごく素敵』

私たちは2人で目を合わせてから、壁に貼られた【 34 】の " 次の殺/人 " のページを見てにんまりと笑った。