おんな将軍記~家族~ ページ5
あれから半年、愛子女王は日に日に弱っていき病の床に臥せることも多くなっていた。
だが、そんな愛子女王の傍らにはいつもAと名付けられた六ヶ月になる姫がいた。
愛子女王「これこれ、A姫さん、そこにいるのはわかっていますよ?さぁ出てらっしゃい?」
家昌「これ、姫はまた母上の打ち掛けにくるまって遊んでおるのかね。まったく、手に負えないお姫さんだ。」
身分の貴い者は大抵、子供は乳母をつけて育てさせる。『親子の情など持たぬ方がいい』とされている。
まして武家では戦乱の世ではないとはいえ、いつ犠牲になるともしれぬ子供をいざというときお家の為に迷いなく切り捨てられるようにとその考えは強かった。
しかし、家昌と愛子女王のたったひとりの姫への愛情と慈しみはとても深いものだった。
家中の中には「姫だった」、「振り出しに戻った」などと心ないことを言うものもいたが、それでもふたりの愛情と慈しみはそんな家中や幕臣たちでさえどこか心穏やかにさせ、和ませるものがあった。
A姫は日に日に弱っていく愛子女王の分まで生きようとするかのように、すくすくと成長していった。
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牡丹(プロフ) - そぐむさん» ありがとうございます。とても嬉しいです。小説の方もご愛読ありがとうございます。これからも更新いたしますので何卒よろしくお願いいたします。 (2018年11月15日 17時) (レス) id: 008b18c312 (このIDを非表示/違反報告)
そぐむ(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいています!合格おめでとうございます!! (2018年11月15日 14時) (レス) id: 3753eef71c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:牡丹 | 作成日時:2018年10月22日 22時