第21話 ページ22
あれからひと月経った。
ここは静かでいい…
にーちゃんも走り回れるし、薔薇は綺麗だし…高遠さんのシャツを干せるし…なんか新婚さんみたいです。
パンパン…
私は庭先で洗濯物を干し終わり、にーちゃんを遊ばせながら鼻歌を歌っていた。
「ずいぶんと上機嫌ですね。」
高遠は笑いながら朝食と茹でたトウモロコシを持って来た。
今日は天気がいいからお庭で食べるのだ。
「だって///幸せだから////にーちゃん！ご飯ですよ！」
私は庭に出していたにーちゃんを呼ぶとにーちゃんはヒョコリと顔を出し、走ってきた。
「ほら、大好きなトウモロコシだよ。高遠さんが茹でてくれたの。ありがとうって言って。」
にーちゃんは高遠を見てひと鳴きするとトウモロコシを食べ始めた。
「さ、我々も食べましょうか。」
食べ終わると高遠は紅茶を淹れ主人公の向かい側にゆっくりと腰を下ろした。
「貴女の気持ちに水を差すつもりはありませんが、約束は守ってくださいね。私の為に。」
高遠は真剣な表情で主人公を見つめた。
「…はい。私はマネージャーの高山さんとお付き合いしていて、高遠さんとはイタリアで別れた以来会っていない。」
「そうです。貴女はあくまでも高山と恋人同士、捜査の手が貴女に及んだ時に備えてね。ま、そうそうなりませんから心構えとして覚えておいて下さい。」
「……はい。」
主人公は寂しそうに目を伏せた。
「そんな顔しないで。今日は指輪でも買いに行きましょうか。」
「え…指輪？」
「ええ、さ、準備して。」
高遠は立ち上がると主人公を急かすように食器を片付け出した。
ーーー
街に着くと高遠は決めていたように宝石店に入って行く。
「さて、どれにしましょうか？」
「えと…私はその…どれでも////…あ、でもこれなんか好きです…」
主人公は薔薇をモチーフにした赤い指輪を指差した。
高遠が満足そうに笑った。
「私もそれが良いと思っていたんですよ。だからここに連れて来たんです。実はね、もう出来てるんです。」
店員はニコリと笑うと黒い箱を高遠に差し出した。
彼はそれを受け取ると彼女の手を引いて店を出た。
近くの公園に腰を下ろすと高遠は箱を開け、指輪を左手の薬指に付けた。
「似合ってますね。」
「！？…あの////これって////」
「ええ、そういう事ですよ。時が許す限り共にいましょう。」
「ッはい…」
高遠は優しく主人公に口付けた。
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リリシア(プロフ) - 読んでいるこちらが赤面しました！更新を楽しみにしています (2021年11月23日 19時) (
レス) @page37 id: b4560dd72a (このIDを非表示/違反報告)
咲くや - 面白くて続きが気になります 更新頑張ってください。 (2021年10月14日 23時) (レス) @page14 id: 2369d330ed (このIDを非表示/違反報告)
リリシア(プロフ) - 明智さんとどうなるのか気になります♪ (2021年3月3日 19時) (レス) id: b4560dd72a (このIDを非表示/違反報告)
ycamelliayhighf(プロフ) - とても面白かったです！！更新を楽しみにしています！ (2021年2月18日 12時) (レス) id: f576afea94 (このIDを非表示/違反報告)
かおりん(プロフ) - camelliaさん» コメントありがとうございます！凄く励みになります。今後ともよろしくお願いします。 (2019年7月4日 20時) (レス) id: f0f7253053 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かおりん | 作成日時：2019年7月3日 0時
