甘い誘惑と甘い甘い蜜 ページ9
Aside
中原幹部はそのあと足を下ろしてくれたが、完全にフリーズしてしまった
「あ、あの・・・・中原幹部?」
流石に気になって恐る恐る声を掛けると少し目を見開いたが直ぐに何時も通りの表情に戻った
少し目を伏せて考え事をしている姿も絵になるくらい綺麗だ
「いや何でもねぇ・・・で、結局こんな朝まで飲んでた理由は何だ」
さっきよりは幾らか口調も柔らかくなっていて安心したので、バーで飲んでいたが、時間に驚いて急いでいた、と話した
「そういうことかよ・・・」
何処か安心した顔で言われて少し戸惑った
視線をあちこち彷徨わせていると、不意に頭の上に何か温かいものが乗っていた
それは中原幹部の手だった様で中原幹部は直ぐ目の前にいた
「あ、あの・・・」
更に近付てきて、
「あんま心配させんな」
と、耳元で囁く様に、それでいてはっきりと
強く言われた訳でも無いのに命令の様に感じた
「返事は?」
否、此は命令だった
逆らえる筈がない
そして咄嗟に言ってしまったんだ
「_____はい」
と、
そう言えば中原幹部は満足そうに離れていった
あぁ・・あの人は甘い甘い蜜だ
1度捕まったら、2度と離れることは出来ない
それでも、近づきたいと思うのは彼の甘い誘惑
其と同時に、私が一番頼ってはいけない人だ
あの人に頼ったら2度と自分で立てなくなる
弱くなる
だから、
彼へのこの気持ちも
消さなければならない
でも、今だけは
せめて、この一瞬だけは・・・
彼を思うことを赦してください
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作者名:クロス | 作成日時:2018年11月25日 2時