非日常 ページ4
Aside
今日は予想よりだいぶ長かったらしくシャワーを浴びたら3時を回っていた
このまま帰っても恐らく寝れる時間は僅かだろう…
なら、いっそバーでお酒を少しで煽ろうと思った
何時もなら寝ていてもおかしくないのに…
私のたまにある非日常だ
それから私はヨコハマの夜の町へと歩いていった
・・・
『リスカール』
ポートマフィア本部から少し遠い所にあるバーだ
路地裏の角にあるこのバーは滅多に人が来ない知る人ぞ知る穴場だ
カランカラン
私が扉を引くとベルの心地よい音が聞こえる
「・・・っ!!」
店内を見渡すとカウンターに誰かが座っていた
ざっと見た感じでは特に怪しいところがあるわけではなく、しいて言うなら腕に巻かれた包帯が印象的なくらいの人だった
少し気になりはしたが関係ないので私はカウンターの一番奥の席に座る
「いらっしゃいませ」
店主である彼は私に優しい笑みを送ってくる
「あぁ・・・マスター、何時もの」
そう言えば彼は黙って用意をし始めた
心地よい静寂
バーに流れるゆったりした音楽が気持ちを落ち着かせてくれる
しばらくすると、コトッという音が聞こえてくる
音のする方に目を向ければ、先程の包帯が印象的な人が此方に歩いてきていた
「隣、いいかな?」
猫なで声のようにふわふわした声だった
「どうぞ」
と言えば「ありがとう」と笑って隣に座った
「名前を聞かせてもらっても?」
「Aです・・・貴方・・・」
仕事の関係上フルネームを言うわけにはいかないと思い、あえて名前だけ名乗った
「私は太宰治と言うんだ」
言い聞かせるような言い方に少し疑問を持ったが、言えないこともあるのだろうと思い聞くのを止めた
それからは彼と他愛ない話を続けていた
気がついた時には5時になっていて、慌てて席をたつ
「もう行ってしまうのかい?」
「はい・・・仕事が早いものですから・・・」
会計を済ませて太宰さんに一礼してから、扉を開けようとした時だった
「Aちゃん」
呼び止められたため、後ろを振り返ると彼は私の近くにいた
「どうされたんですか?」
多少の驚きはあったが、かなり急いでいたので気にしなかった
すると彼は私の近くに来てか手を伸ばすと私の首に触れた
71人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:クロス | 作成日時:2018年11月25日 2時