双黒 ページ24
Noside
「Aっ!!」
そう呼んだのは空から降りてきた男
「はぁ〜〜何で中也がくるんだい?」
太宰は明らかに嫌そうな顔を向ける
「あぁっ!?誰が手前に会いに来るかよ!・・・・自分の部下を迎えに来たに決まってんだろ」
そう、この男こそAの上司で想い人
ポートマフィア幹部、中原中也だ
「やっぱりね。Aちゃんの話聞いたときから嫌な予感がしてたんだよ・・・もぉ〜最悪」
太宰は愚痴を言い続けているが、中也はすぐにAの方に振り返る
「おい青鯖、何とかできるか?」
中也の声は先程の声とは違い、低く重い声だった
太宰は珍しく相棒の焦っていることに少し驚いている
何せ、中也が自分から作戦を聞いてくることは滅多にない
余程慎重に助けたいのだろう
「ん〜、此処は『蛙と蛇』の逆かな?」
『蛙と蛇』
此れはまだ二人が『双黒』と呼ばれていた頃の二人だけの作戦隠語だ
中也は其を聞くと溜め息をついてから自分のコートを脱いだ
「Aに傷1つでもつけてみろ・・・・そんときは俺が手前を殺すかんな」
そう言い残し彼はAへと近づいていった
太宰はやれやれとでも言いたそうな顔をした
(あんなに拗らせててまだ気づいてないのか・・まぁ、其れはAちゃんもか・・)
太宰はゆっくり中也の後を追った
71人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:クロス | 作成日時:2018年11月25日 2時