上の空? ページ20
敦side
温かい日差しが降り注ぐ昼下がり
会議室の中では国木田さんが資料の準備をしていた
「どうしたの?」
不意に隣から服の袖を少し引っ張られる
隣を見れば鏡花ちゃんが心配そうに此方を見ていた
「何でもないよ」
そう言うと安心したように笑った
でも、本当は少し気になることと言えば・・・
太宰さんがちゃんと会議室に居ることだ
まあ、またあの本を読んではいるけど・・・
「太宰!!真面目に話を聞け!!」
そんな太宰さんを国木田さんが怒っている
まあ、見慣れてはいるけど国木田さんも、大変だな・・・
「まあいい・・では、先ずこの資料を見てくれ」
そう言って出された写真には一人の女の人が写っていた
「彼女は唯一生存が確認されている例の会社の被害者だ」
「じゃあこの人に話を聞けば!!」
その言葉に国木田さんは顔をしかめる
「その事だが・・・今、彼女が何処にいるかはわかっていない」
其処で会議室に沈黙が走った
確かに場所がわかならきゃ、捜せない
太宰さんの方を見ると珍しくぼーっとしていた
「太宰、お前ならどう見る?」
「暫くは様子見かな・・・・この子がどう出るかでまた変わってくるからね」
その口振りはまるで何かを思い出しながら話しているような感じだった
「とりあえず、今は彼女を見つけるのが先決だ」
暫くして会議は終わった
太宰さんはゆらゆらと部屋を出ていこうとしていた
「太宰さん!!」
遂呼び止めてしまったが特に言うことが合った訳でもないので少し焦る
「どうしたんだい?敦君」
「いゃ・・・えっと、何処に行くんですか?」
「今日は天気がいいので入水でもしようかと思ってね」
そのまま太宰さんは探偵社を出ていった
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作者名:クロス | 作成日時:2018年11月25日 2時