130話 盗みの代償 ページ7
A『ご、ごめんねセイカ。今日はどうしても師匠のところへ行かなきゃだから…明日にして欲しいな?』
セイカ「えーどうしても?」
翌日。
予想通り、セイカは放課後Aに「一緒に遊ぼう」と言った。
Aに誘いを断られたセイカだが、納得がいかないようで、「どうしても」とAに頼み込んでいる。
セイカ「あっ、じゃあさ!あたし外で待ってるよ!」
A『外で…?』
セイカはどうしてでもAと一緒にいたいようで、「ついて行く」という考えに至ったみたいだ。
師匠が言っていた「言わなくちゃいけないこと」がどんな内容なのかも、どれ位時間がかかるのかも分からないというのに。
それでもセイカに引くつもりはないようだ。
A『うーん…セイカがどうしてもって言うなら仕方ないか』
Aとセイカは、家にも帰らず師匠の元へ向かった。
セイカは外で、Aは家の中へ。
アカネ「話し声が聞こえたようだけど…誰かと一緒に来たのか」
A『親友のセイカを連れて来たんだけど…ダメだった?』
アカネ「あまり良くはないな……」
人に聞かれてはまずい話なのだろうか。
Aが人を連れて来るとは師匠は思っていなかったのだろう。
アカネ「まあ、聞かれなければいいだけのこと……」
セイカは暇を持て余す。
ふと上を見ると、自分が座っていた側の窓が開いていたことに気付いた。
窓の奥の部屋には、向かい合って座るAと師匠の姿があった。
セイカ「…えへへ、ちょっと盗み聞きしちゃお」
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作者名:ゴンクラ命の荒川白希 | 作成日時:2023年3月26日 10時