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剛典 side






俺は比較的真面目な人生を送ってきたと自分でも思ってる。

親の言う通りに東京の名門私立中学にも入学して、高校もいいところに通って。

だけど、そんなときダンスに出会った。



真面目に生きてきた俺に、初めて生き甲斐となりそうなものを見つけた。

だから大学でも迷わずダンスサークルに入った。

もちろん勉強も頑張ってたけど、ダンスの腕も磨きたくて色んな大会に出た。

優勝もして、俺の憧れでリスペクトしてたTwiggz Famに晴れて入ることもできた。



…でも分かってた。

ダンスなんかで食ってはいけない。

夢見るんじゃなくてもっと現実を見なきゃならない。

だから、就活も頑張って就職氷河期と呼ばれる時代に大手企業から内定も貰った。



同じTwiggz Famには、EXILEのAKIRAさんも加入してて、忙しい合間に何度か来てもらったりしてた。

その度、

『芸名』

の名前を聞く。




正直、うんざりだ。

2006年に加入したと知った時、俺は思った。

“なんて不公平な世の中だろう”

と。

俺は努力してもあの世界に行くことは無い。



けど、あの人は。

HIROさんにスカウトしてもらった。

それだけで入ることができている。

…女なのに。







『あ、は、初めまして…一ノ瀬Aです』








初めて会った時、本当に嫌だった。

けど、尊敬する先輩たちの前、そんな態度する訳にもいかなくて。


あっちも薄々気づいてるんだろう。

俺の様子をチラチラ伺いながら談笑してる。


胸が痛かった。

けど、俺の我慢も限界だった。





『…岩ちゃん』


『…何考えてる?』





AKIRAさんのあの低い声が聞こえた時、

目が覚めた感覚に陥った。



…俺はなんて醜いことを…



そう思った時には時すでに遅し。








『…何にも知らねぇくせに、って。』








AKIRAさんも、こんな事を言うの、辛かったはずだ。

俺だって、芸名さんが批判されてることを知らなかったわけじゃない。

メンバーであり、同じタイミングで加入したAKIRAさんは、

誰よりもきっと辛かったはずだ。







「俺、最悪だ…」








AKIRAさんが残していった1万円札を握りしめながら、

タクシーの中で俺は呟いていた。

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まぃ(プロフ) - なおりん♪さん» わざわざレスありがとうございます!このお話大好きなので是非読んでみたいなぁと思ってコメントさせていただきました!楽しみに待ってます!! (2019年6月24日 23時) (レス) id: 92bf92977f (このIDを非表示/違反報告)
なおりん♪(プロフ) - まぃさん» コメントありがとうございます!!啓司くんとの絡み!!載せようと思って忘れてました!すぐ描きますね!ありがとうございます(*_ _) (2019年6月24日 19時) (レス) id: 5a502bbb20 (このIDを非表示/違反報告)
まぃ(プロフ) - ケイジくんとの絡みがみたいです! (2019年6月21日 18時) (レス) id: 92bf92977f (このIDを非表示/違反報告)
なおりん♪(プロフ) - 美紀さん» コメントありがとうございます!最高と言っていただけて本当に感謝以外の言葉が見つかりません(T ^ T)ありがとうございます! (2018年1月3日 13時) (レス) id: 5a502bbb20 (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - LDHグループ大好きですこの小説最高です更新大変だと思いますが頑張ってください応援してます (2018年1月2日 15時) (レス) id: 39e38305d9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なおりん♪ | 作成日時:2016年11月13日 18時

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