安堵、それから―�� ページ28
彼の言葉に、はっと我に返りました。
あんなに緊張して飲めなかったはずのジュースを、思い切り一気飲みしてしまった。
震えて上手く力が入らなかった手はいつの間にかいつも通りに戻ったどころか、及川君の腕を振り払って逃げる事が出来てしまった。息苦しさを感じていたはずなのに、それも嘘のよう。
不思議な事に私の思考回路からは妹の事が綺麗さっぱり消え去ってしまっているのです。
否、妹、すずの事は間違いなく覚えている。けれど、すずに関連するネガティブな事を、何一つとして考えられない、というべきか。
「………及川君、あの…私が緊張していたのを…」
「ぱっと見ただけでも分かりやすいぐらい顔色が悪かったからさ、つい俺がなんとかしなきゃ〜って思っちゃって。とはいえ、やり過ぎたかな？今度は顔真っ赤だよ」
私の頬をツンと指先で擽って、彼は悪戯に笑う。
その笑顔を見ていると不思議なもので、私は一体何をくだらない事で悩んでいたのだろうと全身から余計な力が抜けていってしまうのがよく分かります。
彼が私を一番に信じて、行動してくれるのは私が一番に知っているはずじゃないか、と。
「気持ちは凄く有難いんだけど…その…もう少し別な方法は思い付かなかった………？」
「ん〜…？別って？」
「人目とか、その…不特定多数の人がいる中でこういう事をされると、なんていうか…」
人前であんなにくっつかれたら恥ずかしい、と少しばかり抗議をする気持ちも萎んで、消えていく。
それよりも、私を気遣って咄嗟にあんな行動を取れてしまう及川君に対して嬉しい、なんて思ってしまったり。
無論、人が集まる場所で騒いでしまったりしてしまったのは他の方に申し訳ないと思うけれど。
…どうやら私は、及川君相手になると少し感覚がおかしくなってしまうみたいです。
「………その、今度こういう事するなら、せめて他の人がいない場所で…」
「…それは『二人きりになりたい』って意味で解釈してもいいのかな？」
「っ、へっ！？」
「そっかそっかぁ、じゃあ次は二人きりになれる時に思いっ切りくっつこうね！」
「ち、違っ…く、はない、けど、その…」
「え、何それ照れてる？照れてるよね？
やだもうAちゃんてば自爆しちゃっても可愛い！」
………前言撤回です。
やっぱり、人の目があるにも関わらずこんな調子の及川君といるとどうしても嬉しいよりも恥ずかしいです。
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Guilty(プロフ) - モモさん» コメントありがとうございます、キャラの把握、そして溺愛っぷりはかなりこだわって書いてますのでそう言って貰えると嬉しいです☺ (2023年2月23日 13時) (
レス) id: 4d6b8818fd (このIDを非表示/違反報告)
モモ - 及川さんの溺愛っぷりがすごいです！キャラがちゃんとつかめていて、見ててすっごく面白です！！ (2023年2月23日 13時) (レス) @page44 id: 759a61aa3f (このIDを非表示/違反報告)
Guilty(プロフ) - あさん» 長らくお待たせしてしまいましたね😅文章の書き方はこだわっているつもりですのでそう言って頂けると嬉しいです、ありがとうございますo(_ _)o (2022年9月11日 19時) (レス) id: 7dfd57a894 (このIDを非表示/違反報告)
あ - ここここ更新されてる😭ずっと待ってたんですよ！！1話1話の文の書き方好きです (2022年9月11日 18時) (レス) @page29 id: a182ab6823 (このIDを非表示/違反報告)
Guilty(プロフ) - あさん» 毎晩覗きに…！？Σ(ﾟ∀ﾟﾉ)ﾉマジですかありがとうございます、そんなに期待されていたとは…毎日更新が出来ないのが申し訳ないです、必ず近いうちにまた更新させて頂きますm(__)m (2022年8月23日 2時) (レス) id: 7dfd57a894 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Guilty | 作成日時：2021年7月8日 14時
