安堵、それから―�� ページ26
紙コップの側面にぷくりと浮き上がり、ぽとぽと静かにトレーに落ちていく水滴を眺めながら、私はずっと落ち着けずにいました。
緊張からか、食べ物どころか飲み物ですら喉を通りそうにありません。
何度かコップを持ち上げてはトレーに戻し、また持ち上げてを繰り返してしまいました。
他のお客さんが皆楽しそうに、美味しそうにそれぞれの料理やデザートを頬張っている中、私だけが異様に緊張しながら彼を待っている。
最早、こんな状態の私がこの場にいるのは場違いではなかろうかとすら思えてきてしまいました。
時計を見ても、時間はそんなに経っている訳ではない。
なのに、どうしてこんなに時間が進むのが遅いと感じてしまうのか。
＿＿＿どうしてこんなに、怖いと思ってしまうのか。
長らく会っていなかったから当時の感覚が少し薄れていた、風化していただけで、私はこの街に来る以前と何も変わっていなかった。
妹、すずと再会して、嫌という程それを実感しました。
私はあの、あの子のハイエナのような目が怖い。
笑顔で周りの人に平気で嘯くあの子が怖い。
その嘘を信じて、攻撃してくる人が怖い。
宝物がどんどん奪われていくのが怖い。
あの子の嘘で、大切な人が私から離れて行ってしまうのが、何よりも怖い。
…及川君は、私に心変わりなんてしないと断言してくれたはずなのに。
彼の言葉を普段から聞き続けていれば、こんな事考えるだけ無駄だと分かっているはず、なのに。
情けない事に私は未だに、妹の顔を見るだけで、声を聞くだけで、何も出来なくなってしまう。これじゃダメだとは理解しているのに。
目の前にある美味しそうなデザートが、味気ないモノクロに変わっていく。見ていると、どんどん食欲が失せて、代わりに緊張が高まってくる。
…もし、及川君がすずの言葉を受け入れてしまったら。
顔を上げると、周りの人達が私を見て嗤っているように見えてしまう。
何も出来ない情けない自分を、嫌な現実を、突き付けられているような。
…もし、及川君が………
このまま、すずの元に行ってしまったら？
考えたくもないような辛い妄想が止まらない。嫌なのに、何故こんな事を考えてしまうのか。どうして自分で自分の首を締めるような事を。
苦しい。苦しいのに、やめたいのにやめられない。
考えているうちに、本当に息がしづらいとさえ感じ始めました。
＿＿＿そんな時。
「いたいた、ごめんねAちゃん。遅くなっちゃった。」
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Guilty(プロフ) - モモさん» コメントありがとうございます、キャラの把握、そして溺愛っぷりはかなりこだわって書いてますのでそう言って貰えると嬉しいです☺ (2023年2月23日 13時) (
レス) id: 4d6b8818fd (このIDを非表示/違反報告)
モモ - 及川さんの溺愛っぷりがすごいです！キャラがちゃんとつかめていて、見ててすっごく面白です！！ (2023年2月23日 13時) (レス) @page44 id: 759a61aa3f (このIDを非表示/違反報告)
Guilty(プロフ) - あさん» 長らくお待たせしてしまいましたね😅文章の書き方はこだわっているつもりですのでそう言って頂けると嬉しいです、ありがとうございますo(_ _)o (2022年9月11日 19時) (レス) id: 7dfd57a894 (このIDを非表示/違反報告)
あ - ここここ更新されてる😭ずっと待ってたんですよ！！1話1話の文の書き方好きです (2022年9月11日 18時) (レス) @page29 id: a182ab6823 (このIDを非表示/違反報告)
Guilty(プロフ) - あさん» 毎晩覗きに…！？Σ(ﾟ∀ﾟﾉ)ﾉマジですかありがとうございます、そんなに期待されていたとは…毎日更新が出来ないのが申し訳ないです、必ず近いうちにまた更新させて頂きますm(__)m (2022年8月23日 2時) (レス) id: 7dfd57a894 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Guilty | 作成日時：2021年7月8日 14時
