放課後―�� ページ22
「………おっと」
体を硬直させていると、頭上からいつもより少しだけ低い及川君の声が降って来ました。
そのお陰で妹、妹を囲む少女達の視線は彼の方へと移され、ほんの少しだけ私の肩から力が抜けていきます。
「奇遇だね、妹ちゃんも来てたんだ？」
いつもの調子で、いつもの笑顔で、すずに声を掛ける及川君。
ですが、私にはなんとなく彼が私に気を遣ってくれているのが伝わって来ます。
いつも通りのようで、いつもより一歩だけ前に出て、大きな背で私の視界にすずの姿が入らないようにしてくれている。
いつもより少し低い声は、威嚇まではいかないけれどピリリとした緊張感を与えてくる。
けれど、すず達には分からないように、「大丈夫だよ」とでも言いたげに私にだけ見えるようにこっそりウインクして、お茶目な表情を見せてくれる。
＿＿＿これだけ気遣ってくれる恋人がいるなんて、私は幸せ過ぎではなかろうか。幸せ過ぎて、罰が当たってしまわないだろうか。
先程までの緊張は何処へやら、私が気付いた時には幸福感だけが私の脳内を支配していました。
体の軋みも、喉の乾きも、嘘のように消えていく。気付けばあっという間に緊張は解き解されてしまいました。
「あの…ここで何を…？」
「うん？俺らは見て分かる通り放課後デート中！」
いいでしょ？なんて照れもせずに言い放つ及川君。
………なんというか、今は妹達との邂逅よりも彼のこの言動に緊張、というよりドキドキしてしまって仕方がありません。
二人きりでいる時ならまだしも…いや、二人きりになったらそれはそれで私にはこのドキドキに耐えられる気がしません。どうして彼はこんなに迷いもなくストレートに自分の思いを伝える事が出来るのでしょうか。
疑問に思うのと同時に、羨ましいともこうなりたいという憧れも持ってしまいます。
いつか私も、彼にストレートな言葉でいつものお返しがしてみたい。
彼の背を眺めながら、そんな事を考えてしまいました。彼のお陰で、すずを前にしても別の事を考えるだけの余裕まで取り戻せてしまった。やっぱり彼は、及川君の気遣いには、何か不思議な力があるような気がしてなりません。
「…じゃあ、俺らはこれで！」
私が余裕を取り戻せたのが伝わったのか、その後適当に妹との会話を切り上げた及川君。
行こうか、と笑顔で声を掛けられ、私がそれに従おうとした時。
「…あの。ちょっといいですか」
妹のものでも、彼の声でもない低い声が私達を引き留めました。
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Guilty(プロフ) - モモさん» コメントありがとうございます、キャラの把握、そして溺愛っぷりはかなりこだわって書いてますのでそう言って貰えると嬉しいです☺ (2023年2月23日 13時) (
レス) id: 4d6b8818fd (このIDを非表示/違反報告)
モモ - 及川さんの溺愛っぷりがすごいです！キャラがちゃんとつかめていて、見ててすっごく面白です！！ (2023年2月23日 13時) (レス) @page44 id: 759a61aa3f (このIDを非表示/違反報告)
Guilty(プロフ) - あさん» 長らくお待たせしてしまいましたね😅文章の書き方はこだわっているつもりですのでそう言って頂けると嬉しいです、ありがとうございますo(_ _)o (2022年9月11日 19時) (レス) id: 7dfd57a894 (このIDを非表示/違反報告)
あ - ここここ更新されてる😭ずっと待ってたんですよ！！1話1話の文の書き方好きです (2022年9月11日 18時) (レス) @page29 id: a182ab6823 (このIDを非表示/違反報告)
Guilty(プロフ) - あさん» 毎晩覗きに…！？Σ(ﾟ∀ﾟﾉ)ﾉマジですかありがとうございます、そんなに期待されていたとは…毎日更新が出来ないのが申し訳ないです、必ず近いうちにまた更新させて頂きますm(__)m (2022年8月23日 2時) (レス) id: 7dfd57a894 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Guilty | 作成日時：2021年7月8日 14時
