対面―�� ページ15
教室の扉に手を掛けたはいいものの、及川君に質問され教室にいた生徒達からの視線を一身に浴びたすずは体を強張らせていました。
今まで周囲の人間からお姫様のような扱いを受けていた彼女が悪い意味で注目されるのは、恐らくこれが初めてなのでしょう。
すずは何か焦っているような表情を浮かべ、扉に掛けていない方の手の指を意味もなく動かし、彷徨わせています。
ですが、すぐに表情を悲しげなものに切り替え、目には涙を浮かべ、意味もなく動いていた指を抑えて彼女はこちらに向き直りました。
「………ごめんなさい…」
そして、告げられたその言葉。
今までどれだけ両親や祖父、祖母が取ったものを返しなさい、謝りなさいと叱っても絶対に言わなかった謝罪の言葉をこんなにあっさり言ってくれるだなんて。
初めて聞いたすずの謝罪に、私は目を見開く程驚いてしまいました。
なんと言葉を返せばいいのか分からず、思わず体を硬直させてしまいます。
と、その隙にすずは涙を堪えているような仕草を見せながら教室の扉を勢いよく開け、ここに来た時と同じようにバタバタと大きな音を立てながら走り去っていったのでした。
「…Aちゃん、大丈夫だった？」
その足音が遠くに離れた頃、及川君が心配そうな表情で私の様子を伺ってくれている事に気が付きました。
なんとか驚きから硬直していた体の力を抜き、大丈夫だと告げると、彼は再びいつもの爽やかな笑顔に戻り「それは良かった」と呟いて頭を撫でてくれます。
…ですが、彼の声がいつもより低く、なんというかドスの効いた声に聞こえるような。気のせい、でしょうか。
「………それにしても…あれはまだ反省してないね。」
「…えっ？」
どうやら気のせいではなさそうです。
今度の声は明確にドスの効いた声でした。
というか、一瞬その低い声に気を取られて気付きませんでしたが彼は今なんと言ったのでしょう？
あれはまだ反省していない、とはどういった意味なのでしょうか。
「ん〜、まあ俺の勘なんだけどね。
あの子、とりあえず謝るだけ謝って一時撤退しただけだと思う。自分に不利な状況になったから逃げただけで。」
あの子、とはすずの事を指しているのでしょう。
どうやら彼は私以上にすずの事を観察し、彼女はまだ反省していないと読んだようです。
恥ずかしながら、私は彼女の口から謝罪の言葉が出てきた事に衝撃を受けて全く気付く事が出来なかったのですが。
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Guilty(プロフ) - モモさん» コメントありがとうございます、キャラの把握、そして溺愛っぷりはかなりこだわって書いてますのでそう言って貰えると嬉しいです☺ (2023年2月23日 13時) (
レス) id: 4d6b8818fd (このIDを非表示/違反報告)
モモ - 及川さんの溺愛っぷりがすごいです！キャラがちゃんとつかめていて、見ててすっごく面白です！！ (2023年2月23日 13時) (レス) @page44 id: 759a61aa3f (このIDを非表示/違反報告)
Guilty(プロフ) - あさん» 長らくお待たせしてしまいましたね😅文章の書き方はこだわっているつもりですのでそう言って頂けると嬉しいです、ありがとうございますo(_ _)o (2022年9月11日 19時) (レス) id: 7dfd57a894 (このIDを非表示/違反報告)
あ - ここここ更新されてる😭ずっと待ってたんですよ！！1話1話の文の書き方好きです (2022年9月11日 18時) (レス) @page29 id: a182ab6823 (このIDを非表示/違反報告)
Guilty(プロフ) - あさん» 毎晩覗きに…！？Σ(ﾟ∀ﾟﾉ)ﾉマジですかありがとうございます、そんなに期待されていたとは…毎日更新が出来ないのが申し訳ないです、必ず近いうちにまた更新させて頂きますm(__)m (2022年8月23日 2時) (レス) id: 7dfd57a894 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Guilty | 作成日時：2021年7月8日 14時
