【ONE PIECE】またいつかお会いしましょう (ページ4)

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104話ページ4

Aが黙ってしまうと、レイリーは小さく笑った

｢あまりお勧めはしないが手段として言わせてもらうと、もっと知りたいのなら、ワノ国に行くといい｣

｢ワノ国…？｣

｢だが、真実というのは残酷だ、好奇心は時に身を滅ぼす｣

Aはレイリーの言いたいことがよくわかった

確かに、自分の記憶がないのを埋めるようにここ最近は母親やシルフィーという名前に固執し過ぎていた

知れば知るほど危険な道を進んでいるような気がしていたが、気のせいではなかったらしい

｢長々と話しておいてなんだが、まあ1番いいのは君の記憶がもう一度戻ることだな｣

｢私もそうなることを願っているのですが…｣

これだけ色々と調べても、記憶に関しては難航しているのが現実だ

レイリーはAの深刻そうな表情から何かを思い出すように遠くを見つめた

｢つい先日まで私はルフィくんに修行を付けていてね｣

生きていたんだ、などという野暮なことをAは言わなかった

｢彼は仲間のことも心配していたが、君が重症を負ったという記事を読んで君のこともひどく心配していたよ
もし、君が何かを知って本気で覚悟を決めて大きなことに取り組もうと思った時、助けてくれる人はたくさんいる…遠慮なく周りを頼って構わない、助けを求めて構わないんだよ｣

Aがそれを聞いてから立ち上がると、レイリーはAのことをじっと見上げる

｢君は今、何かに迷っているのだろう？｣

｢…………｣

｢これはいち老人のわがままだと思って聞いて欲しいんだが、どうか自分を大切にして欲しい
シルフィーなんて名前に囚われず、自由に、君の生きたいように生きなさい｣

多分、これは本当はヘレナに言いたかったことなんだろうと、なんとなくAは思った

それでも、自分にここまで優しくしてくれるとは思っていなかったため、思わず笑顔が溢れた

｢ご心配ありがとうございます…なら、必ずここに戻ると約束します
またいつかお会いしましょう｣

小さく頭を下げると、Aはそのまま店を出た

予想以上の収穫だったが、その分これからの行動は慎重に行わなくてはと気を引き締める

それにレイリーから聞いたシルフィーのみにできる特別なことも教えてもらったので早く試してみたくて仕方なかった

程よいタイミングで海軍を辞めようというのは前々から考えていたことだが、海軍を辞めた後、どこまで自分の正体を追い求めるかはそれまでに決めておかなくてはと思いながら海軍本部へと戻る