【ONE PIECE】またいつかお会いしましょう (ページ18)

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118話ページ18

｢もうそろそろ私は行かないと
今日のことは誰にも秘密ね、脱出するなら早めに
頑張ってね｣

ヴァイオレットが最後にそう言ってその場を立つと、Aはまたお礼を言った

｢あなたには感謝してもしきれません
いつか必ずお礼をさせてもらいます、待っててください｣

ヴァイオレットは少しだけ寂しげな表情をしたが何も返さずそのままAの部屋を後にした

今日逃げ出せばヴァイオレットが疑われるのは明白

ヴァイオレットは2日に1度と言っていたから明日は来ない、Aは、逃げ出すのを明日の夜中に決めた

朝食を運んでくる使用人が第一発見者になるくらいがちょうどいい

それだけ決めると、あとはゆっくりとやってきた睡眠欲に身を任せて眠った

次の日は、起きたのがそもそも昼の12時過ぎだったというのもあって朝ご飯は免れ、昼ご飯は薬の含まれていなさそうなサラダだけ食べる

ここ最近の薬による体調の悪さと、今日のみ薬を摂取しないことで依存症ような疲れが重なっていたがこれ以上薬を体内に入れるわけにはいかない

長い間薬から離れればまたきっと治るはず、そう信じて、Aは夕飯もほんの少しだけしか食べなかった

そして夜中、物音が聞こえなくなった頃、Aはそっと起き上がり腕に力を入れる

武装色の覇気を入れた状態で糸を引っ張ると呆気なく切れた

やはり舐められたものだと思うが、武装色の覇気を使うだけで体力が相当消費され、認めたくはないが薬の負担を知りつつ、部屋を抜け出した

見聞色の覇気で人の気配を感じ取りながらゆっくりと移動をする

明日の朝出港する船に乗れるのが1番いい、そう思いながら多くの人の気配を感じる地下へとたどり着いた

そこにはAの予想通り、船と、その船の船員たちが多くいた

｢…それに、おもちゃ……？｣

物陰に隠れて様子を伺うと、おもちゃやぬいぐるみといったもの達が大量の荷物を運んでいる

ここでドフラミンゴの絶えない黒い噂を思い出したが、今は他人のことを気にかける余裕がない

Aは1番近くにあったタンカーに飛び乗った

その時、先日ドフラミンゴにやられた治りかけの腹の傷が存在を主張するかのように痛み出す

それを無理矢理手で抑えながらAは倉庫の大きな荷物の中に身を潜めた

海兵の時にもサバイバル戦は経験したことがあるが、それとはまた違った緊張感でAは一晩を過ごした