114話 ページ14
次の日の朝礼は少し時間が遅かった
どうせいつも通りの時間に行ったところで集まりが悪いのだから、予め遅い時間に設定されているのだ
そしてその遅い時間の朝礼に、いつまで経ってもAが現れない
それどころか、訓練の時間になっても現れず、昼ご飯すら食べに来ない
Aは元の上司を反面教師にしたため、遅刻は絶対にしなかったはずなのに何故、と皆が思い始めた頃、たしぎがスモーカーに聞く
「もしかしたら体調が悪いのかもしれないです
昨日の飲み会でも早めに退席していましたし…」
「あぁ…一応確認しとくか?」
これがもっと低い地位の海兵ならたたき起こされ、ペナルティ追加もありえるが、腐ってもAは中将なわけで、多少の規律無視は見過ごされる
だがあまりになんの反応もないため、とうとうたしぎはAの部屋へと向かった
「Aさん、私です
入ってもいいですか?」
部屋からはAの返事どころか物音1つせず、たしぎは妙な胸騒ぎがしながら扉を開いた
「……?A、さん…?どこに…」
部屋には誰もおらず、気配すらしなかった
たしぎは重くのしかかる心臓の音から逃げるように部屋を去り、食堂に戻ってきた
「スモーカーさん、Aさんが、部屋にいなくて、」
「……!??」
驚いたのはスモーカーだけでなく、その言葉を聞いていた全員がたしぎの方を見る
「いないって、A中将が…!?」
「あの人が何も言わずいなくなるなんてことあるかよ!」
荒れるG5の海兵たちをスモーカーが諌めるより先に、ヴェルゴが食堂に入ってきた
「なんの騒ぎだ…?」
いかにも冷静で、たった今知った、かのように言ったヴェルゴに当然誰も疑うことなく事の展開を話した
ヴェルゴは少し皆を落ち着かせてから自身の意見を話した
「確かに、少し心配ではあるがA中将が誰かに襲われたなどとは考えがたいな…もしかしたら、何か考えがあって誰にも言わず姿を消したのかもしれない
とりあえず数日は我々の時間を割いてこの辺りを探そう
それでもなんの手応えもなく、帰ってくる気配もないようであれば私の判断で本部に連絡を入れる」
ヴェルゴの言葉に異論を唱える者はいなかった
Aの強さは知っていたし、それなりに自分勝手で気ままな人であることも知っていたからだ
そしてこの日から、Aの捜索が内密に始まった
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星猫 - 知ってるアニメは何ですか? (2020年4月7日 18時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ターコイズ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Namida/
作成日時:2020年2月20日 4時