【ONE PIECE】またいつかお会いしましょう (ページ2)

今日:4 hit、昨日:4 hit、合計:64,971 hit

102話ページ2

海軍本部の引っ越し当日、建物全体が朝から騒がしく、Aはそこから逃げるようにして他の人より少し先に海軍本部を出た

行き先は、G5の予定だが、その前に一つだけ寄りたい場所があったのだ

愛用の船を進めること数十分

Aはシャボンディ諸島へと降り立った

目的地はぼったくりBARという看板の掲げられた古い酒場

ここに冥王がいるという噂だけを頼りにしてきたため、本当にいるのだろうかという不安を拭いきれずにドアを開けた

｢いらっしゃい…あら？｣

店主である落ち着いた様子のシャッキーはAをちらりと見て目を見開いた

頂上戦争まで写真の情報が一切出ていなかったAは頂上戦争後は一気に有名になったので顔も全国に知れ渡っている

｢…何か御用かしら？｣

警戒するかのように立ち上がったシャッキーに対してAは首を振る

｢今さら捕まえに来ようとは思っていません
それに、勝てない相手に挑むほど馬鹿ではないですよ｣

｢ふふ、戦闘の意思は確かになさそうね
どうぞ座って｣

｢ありがとうございます｣

Aがそう言って空気が穏やかになったところで店の奥から笑い声が聞こえた

｢はは、いやぁ私は君と戦って勝つ自信はないがね
何せ、知将センゴクと英雄ガープの秘蔵っ子だからな｣

レイリーが店に出てきてAの隣に座りながらそう言った

｢お久しぶりです、少しお話を伺いたいのですがいいですか？｣

｢構わん構わん！何か飲むか？｣

｢お酒飲めないので、それ以外で…｣

Aがそう言うと、レイリーは大きな声でまた笑う

｢母親譲りだな！｣

｢そんなに似ていますか？私と母は｣

｢まぁ顔はな、誰が見てもそっくりだ
ただ、性格は似てないな…ヘレナが敬語を使っているところは見たことがない｣

そうなのか、と驚きながらも冷静になってAはレイリーの方を向く

｢私、海軍に拾われる以前の記憶がないんです｣

｢……！記憶が…？だとしたら君が海軍にいるのにも納得がいくが…｣

｢なので母の記憶も、自分が何者であるのかもわからないんです｣

｢それで、自分のことを知るために私のところへ来たのか、度胸があるな｣

一瞬驚いていたレイリーだったが、今は落ち着きを取り戻して手元にある酒を飲んだ

｢私の知る範囲のことなら教えよう｣