だいろくわ ページ8
「 おい大変だ！！！ナミ！光がとぎれた！ 」
と船の外で麦わらの彼、もといルフィさんが叫ぶ声が聞こえる。
それに続いて、ナミさんの声も聞こえてくる。
お互い言い合いながらも仲の良さを感じさせるやり取りに、思わず笑いが漏れてしまう。
そのままやり取りを聞きつつ、ふと視線を船内に向けると、ウソップさんと目が合ってしまった。
ウソップさんは何だか気まずそうにしながらも、私に気を使ってか、話しかけてくれた。
「 ……お前、ローグタウンの歌姫だったんだろ？ なんでそれを捨ててまでルフィに着いて来たんだ？ 」
気まずい空気を何とかしてくれようとしているウソップさんに感謝しつつ、質問に答える。
「 先程も申し上げたとは思いますが、理屈とかじゃなくて、自分の本能に従ったまでといいますか……。 というかそもそも私は歌姫とか呼ばれていたのは全然知りませんでしたし、ただただ歌が好きで歌っていただけなので…… 」
「 お前はそれで良いのか…… 」
若干呆れられたような気もするけど、それは特に気にしないことにする。
「 だいたいお前、知らなくても歌姫って持てはやされてたっつーことは結構稼いでたんじゃないのか？ 」
「 ああ、いえ、歌は趣味程度で披露していた物なので、特に見物客からお金は頂いてなかったんです。 それでもチップとしてお金を投げ入れて下さる方はいたので、有り難く頂戴してそれを生活の糧にしてはいましたけどね 」
えへへと我ながら情けなく笑って誤魔化す。
正直、他に収入源が無いとはいえ、お客さんから貰ったお金で生活するのは気がひけることだったのだ。
それを告白するというのは、まるで懺悔をしているようで、居たたまれない気持ちになる。
「 生活の糧にって……、そういやお前、親は＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ 」
ウソップさんがそう言いかけたところで、バン！と扉が勢い良く開く。
何事かと思い扉の方を見ると、そこにはナミさんが立っており、そして一言こう告げた。
「 ＿＿＿＿＿＿＿作戦会議よ！！ 」
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作者名：まうる | 作成日時：2019年10月6日 12時
