「夢から覚めて」 ページ19
ズガン、と頭を強打されたような衝撃に目眩がした。
______今、何て?
……終わりにする…………会えなく、なるって。
……そんなの耐えられない。
「嫌、です。そんなの嫌です!」
「お嬢さん、今までのは夢なんです」
する、と目元を指で撫でられる。
「ゆめ。」
震えた声でその言葉を繰り返す。
「はい。貴方の願いが夢に現れただけなんですよ。だから……もう、夢から覚める時なんです。」
ニッコリと微笑まれて、言葉が詰まった。
「いや、嫌です、貴方が居なきゃ、私は______」
キッドが腕を下ろし、もう片方でガスマスクをつける。
腕を下ろしたせいで私を覆っていたマントがひらりと垂れ下がり、ガスが私の気管に入り込んできた。
そのせいで私は言葉を続けられないまま気を失った。
唐突な別れに、全身の器官が機能を停止してしまうような、そんな苦しさを感じた。
*☼*―――――*☼*―――――
翌朝、目が覚めると私は自分のベッドの上で菜摘と一緒に寝ていた。
菜摘が魘されているようだったので、背中を撫でてやるとパッと目を覚ました。
「A!大丈夫!?」
ガバッと体を起こして私を揺する。
その瞳は心配という感情に染まり、私の姿を映していた。
あぁ、ごめんね菜摘。お姉ちゃんは、また嘘つきになります。
「……何のこと?」
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乃花おむ子(プロフ) - 白。さん» ありがとうございます!これからも気が向いた時にちまちま続編というか、後日談の「Secret Lover」更新していきますのでよろしくお願いします!レス返すの遅くなってしまいすみませんでした〜! (2020年2月19日 19時) (レス) id: 6c075283b8 (このIDを非表示/違反報告)
白。 - コナン知ってて、まじ快知ってて、あんスタまで知ってるとは…。作者さんとはお友達になれそうです!偶然見つけた作品なのですが、良いのに当たりました。他の作品も楽しみにしてますね。ささやかに応援します。 (2019年5月7日 20時) (レス) id: 0235a92526 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:乃花おむ子 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Omutarosan1/
作成日時:2019年4月13日 20時