#20:勘違い ページ22
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先程会ったジョージがまだ
オリバーは競技場にいると教えてくれたので
談話室に続く廊下の出窓に座り
オリバーが戻ってくるのを待つ事にした。
A｢……ダメだ…緊張してきた…｣
ドクン、ドクンと脈打つ心臓を感じながら
膝の上に置かれた紙袋をギュッと握りしめる。
少しして、グリフィンドールのローブを着た男の人が
駆け足で前を通り過ぎた時、コトン…とポケットから
小さな箱が落ちた。
A｢！あ、あの！｣
｢え？｣
急いでその人を止め箱を拾うと
立ち止まった男の人のとこまで駆け寄った。
A｢これ、落としましたよ？｣
箱を渡すと驚いた様に自分のポケットを確認する彼。
｢え!?あれ…ほんとだ。ありがとう。｣
改めて顔を見るとオリバーと同じ歳の生徒だと分かった。
｢彼女に貰った大切なものだから君が気づいてくれて良かったよ…｣
確か名前は…
｢僕はマーカス。君はAちゃんだよね。｣
A｢う、うん。｣
今まで同じ寮とは言え一度も話したことの無かった彼が
当然のように私の名前を知っていたことに驚いた。
話を聞くとオリバーとはルームメートで
私の話が度々話題になるらしい。
一体どんな話をしているのか気になったが
私が聞いていいものが迷い聞かないことにした。
ふと、マーカスの視線が私の手に握られた紙袋に止まる。
ﾏｰｶｽ｢もしかしてウッドに？｣
A｢あ、う、うん///｣
私がそう言うとマーカスは｢そっかそっか！｣と
嬉しそうに笑った。
A｢？｣
嬉しそうに笑う理由を聞こうとした時、
後ろからグイッと腕を引かれた。
A｢ｯ!?｣
振り向くとそこには不機嫌そうなオリバーの姿。
A｢オ、オリバー!?｣
ｵﾘﾊﾞｰ｢悪いけど、お前にやるつもり無いから。｣
マーカスに向かってそう言うと
オリバーは私の腕を引いてどこかへ歩き始めた。
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ﾏｰｶｽ｢あー、あいつ何か勘違いしてるな…｣
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作者名：雪華... | 作成日時：2015年4月1日 20時
