# 大 ページ6
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｢…ん｣
ふわりと頭を撫でられる感覚で目を覚ます。
目を開けばそこには太宰様がいて、優しく微笑んで呉れた。
耳元では、ふふっ、と笑う声がする。
｢おはよう、Aさん｣
寝起きなのか、低く掠れた声で挨拶をされる。
ので、私からも挨拶をしようと口をひら……
｢え？｣
｢ん？｣
思考停止とはこのこと。
｢だ、…え…？だざ、…だ…｣
｢うん、太宰治だよ？｣
｢だ………｣
｢大丈夫かい？？？｣
何故目の前に太宰様がいるのだろうか。
確か、太宰様の家に住まわせて貰う事になって、そろそろ寝ようかってなって……
あれ…
私は今、布団の中にいる。太宰様は？
｢…｣
布団の外だ。
其れを理解した瞬間に私の意識は覚醒した。
やらかした。
/
｢だーかーらー、そんなに謝らないでって云っているだろう？｣
｢否、でも、住まわせて貰っているのにも関わらず、太宰様のお布団で寝てしまうなんて…｣
太宰様が気を使って気にしていないと云って呉れている事は解っている。
なので私は床に頭を付けて、謝罪をしている。
赦しを貰いたいなんて、烏滸がましい事は思っていない。
ただの自己満である事は解っている。
それでも、謝らないと気が済まない。
嫌われて棄てられたくは無いのだ。
｢別に、私が君と一緒に住みたくて住まわせてるんだ。それだけじゃ不満かい？｣
｢不満では無く＿｣
｢嗚呼、もう。君はもう少し気軽に物事を考えた方が善い。
君を布団で寝かせたのは私だ。私の行動が気に食わなかった？｣
私は言葉が出なくなる。
太宰様がそうして下さったのなら、それをありがたく受け取らないといけない。
そうだ、私はなんて失礼なことを。
｢…すみません｣
そう一言云えば、太宰様は溜息をつく。
あ、嫌われた
頭の中でそう理解した。
｢あのね、Aさん｣
棄てられる
｢そんなに謝罪する程のこと、してないから｣
｢え｣
私を突き放さないその言葉に思わず顔を上げる。
｢君に何があったか、すべては解らないけどそこまで謝る事無いんじゃないの？｣
｢…えっ、｣
｢あと、太宰様って辞めなさい。治さんとかにして｣
理解出来ない言葉が次々と耳に入る為、首を傾げる。
｢えっと…棄てないん、ですか？｣
｢棄てる？そんな事する訳無いだろう
折角、拾った大切な子なんだから｣
私は生まれて初めて"大切"と云われた。
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gross - 面白いです… (1月8日 10時) (
レス) @page37 id: 52a16cf4dd (このIDを非表示/違反報告)
落蕾 - 面白すぎる！続きが楽しみです！ (5月29日 2時) (レス) @page36 id: 32354343cf (このIDを非表示/違反報告)
あいす - 面白いです！続き楽しみにしてます！！ (2023年4月16日 17時) (レス) @page18 id: 71114ebb82 (このIDを非表示/違反報告)
文ストオタクの一般人 - 太宰さんナイスです！続きすごく気になります！頑張ってください！ (2023年4月14日 23時) (レス) @page15 id: 14fd5e9416 (このIDを非表示/違反報告)
シュークリーム - すごく素敵なお話だと思います！続き待ってます！ (2023年4月12日 16時) (レス) @page6 id: ece26d42b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おりがみ | 作成日時：2023年4月11日 14時
