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Asaid
季節は6月
ジメジメとした梅雨が続き、雨のせいで少しひんやりとした廊下を歩いてると、
「やぁ、A
学院には慣れたかい？」
後ろを振り向くと私をこの学院に誘ってくれた彼がいた
「天祥院さん
ええ、慣れてきました
初めは不安だったけど何とかやっていけそうです
誘ってくれてありがとうございます」
私が洛山から夢ﾉ咲学院に転校してもう、一週間が経った
洛山で苦しんでる時、偶然パーティで知り合った天祥院さんが私に手を差し伸べてくれたお陰で私は、新しい場所で落ち着いた学院生活を送れてる
本当に感謝してもしきれない、私の恩人だ
「いや、いいんだよ
でも僕は残念だな、fineじゃなくﾞKnightsﾞの専属になってしまうなんて」
「すみません、本当なら助けてくださった天祥院さんがいるユニットに行くべきだと思います
けど、どうしても月永先輩がほっとけなかった
彼がどうしても、好きだった人ととどこか似てる気がして……
私の中でまだあの人が残っていたみたいで、ダメですね
忘れなくちゃいけない人をまだこんなにも覚えているなんて
挙句の果てに彼に似た人を見つけて重ねるなんて……
本当にごめんなさい」
「いや、いいんだ
顔上げて、A」
下げた頭をあげると、少し微笑んで優しく頭をなでてくれる天祥院さん
優しい彼に少し、私の心が救われた気がした
やっぱり彼は、凄い人なんだと改めて思う
「天祥院さん、本当にありがとうございます
本当に感謝しても感謝しきれません
貴方に出会えてよかったです
では、私はこれからプロデュースなので失礼します」
軽くお辞儀をし、Knightsの拠点となる部屋へと向かった
天祥院さんはこの学院で皇帝と呼ばれ、今の三奇人や私の専属のKnightsのリーダー・月永レオを一瞬にして壊したと本人から聞かされた
学院の皆は、天祥院さんを恐れている人がほとんど
けど私は、一度も怖いとも思ったことない
多分、私はまだ彼と過ごしてる日が浅いからかもしれない
でも私は知ってる
誰よりも優しく脆い人間だと
そう、私の初恋の人
赤司征十郎ように────
ｯ？！
ダメ、彼を忘れないと
征十郎の事も、征十郎に対する想いも何もかも────
天祥院さんと月永先輩を見る度、征十郎と重ねるのはもうやめないと
自分自身に強く言い聞かせ、
私はこの気持ちを掻き消すかのように、Knightsの元へと向かうのだった
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作者名：saki | 作成日時：2017年10月5日 21時
