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帰ってこなければ、はじめからー山崎side ページ10

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ええと…なんだかんだ旦那の家に行って
Aさんがご飯を作ってくれていた。



A「銀さんの家あんま材料ないなぁ」



冷蔵庫を除くAさんを見ながら
俺はあの時と同じ質問を繰り返した。



山「Aさんは…」


A「え?」


山「何故傷つけられるのに
沖田さんの側に居るんですか」


A「…なんで、でしょうね。

…傷付けるのって恋人に痕を付けるのと
同じ、らしいです。…総悟によると。

…ほんと、心身共に残りますよ、嫌になるくらい。
背中なんてもう…消える気しないし」


山「…そんなの」



尚更なんで、一緒になんて…。

料理をする背中、その着物の奥の
痕を思い浮かべながら

言葉を喉の奥に押し込んだ。



A「…でも、消えないからこそ
一生自分のもの、なんだそうです。

…その言葉はちょっとだけ、嬉しかったかも」



Aさんは振り向きながら微笑み
人差し指を口元に持っていき、言った。



A「…今の、総悟には内緒ですよ

知ったら、あの人絶対調子に乗るから。」



こんなに、痛めつけられているのに



山「(すごく…幸せそうだ)」



その後、俺は何も言わずに
Aさんが料理をするのを眺めていた。



A「はい、出来ましたよ?」


山「わぁ、美味しそう…。…あれ、この料理…」



しばらくすると、料理が運ばれてくる。



A「事前に材料買っておいたんです
…全部、あの時食べてもらえなかった献立です」


山「…いただきます」



俺は一口、鰆を口に含む。…美味しい。

あんぱん続きだったのもあるのかもしれない。


俺はご飯を頬張った。



A「ふふ、良かった、お口にあって」


山「えぇ、とても美味しいです。
…こんなに美味しいご飯初めてです」


A「そんな、…ありがとうございます。
…そう言えばあの時、終さんだけじゃなく
総悟にも好評だったんですよー
退さんの分総悟にあげちゃって…」


山「…!」



嬉しそうに君は話した。

…目の前にいるのは俺なのに
君の眼中に俺はいない。

あなたのものではなかったのです。→←もし帰ってくればあなたのもの。



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由麻(プロフ) - Omayuさん» おっと、本編から適当に名前を入れてコピーしてきたのがバレてしまった笑名前は気づく限り直してみました!読んでいただきありがとうございます (2017年9月23日 1時) (レス) id: 56f9823bdb (このIDを非表示/違反報告)
Omayu(プロフ) - ちょくちょく夢主ちゃんのお名前が「かな」になってますよ!とても面白いです!是非他の作品も見させていただきますっ! (2017年6月27日 20時) (レス) id: fa9ac44873 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:由麻 x他1人 | 作成日時:2016年5月12日 1時

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