22 秘密 ページ27
赤葦side
萌「佳奈子せんぱ〜い!ちょっと来てもらっても
いいですかぁ〜?」
「(あ、初対面なのにすごいグイグイ来た娘………)」
正直、少し苦手なタイプだ。
『あ、うん!今行くね〜!』
それに対し、仕事中なのにも関わらず
嫌な顔ひとつせずにパタパタと走って行く
美人さん…………確か、彩瀬佳奈子さん。
「(なんか、イヤな予感がするな…………)」
嫌な予感というか、小鳥遊さんが
明らかに「私、悪いこと企んでます♡」って
顔をしていたので、念のために付いて行く。
萌「佳奈子先輩、このボトル洗うの
手伝ってくれませんかぁ〜?」
そう言って水道に置いてあるドリンクボトルを
指さす小鳥遊さん。
『うん、いいよ〜』
「(え、いいの…………?)」
小鳥遊さんが担当してる青城のボトルなのに、
彩瀬さんは快く引き受けた。
『でも…………』
萌「?」
影になっていてよく見えないけれど、
一瞬、確実に彩瀬さんの口角がニヤリ、と
弧を描いたのが分かった。
『自分に水ぶっかけて「佳奈子先輩に
やられました!」って言うのは、
止めておいた方がいいと思うよ?
だってほら、覗き見してる人がいるみたいだし』
「えっ」
萌「は?」
おそるおそる隠れていた壁から
顔を覗かせると、こっちを見て
ニコニコと笑っている彩瀬さんと、
呆然と立ち尽くす小鳥遊さん。
『じゃあ萌絵ちゃん、私と赤葦くんは
中に戻るね!行こ、赤葦くん!』
「あっ、はい…………」
_______________
『赤葦くん、萌絵ちゃんが悪だくみしてること、
気づいてたんでしょう?』
体育館に入ると唐突にそう聞かれ、少し戸惑う。
「え、まあ、あんなにニヤニヤしてたら、
誰だって怪しいと思うんじゃないですかね」
『クスクスッ………そうだよねww
…………でもね、さっきのことは、
誰にも言わないでほしいの』
「?」
なぜだろうか。危うく騙されるところだった
というのに…………。
『無駄なトラブルで、せっかくの合宿を
中断させたくないの。だからこれは、
私と赤葦くんだけのヒミツ……………ね?』
ひみつ、と唇に人差し指を当てる彩瀬さんは、
なんだかすごく、色っぽい。
「…………はい、分かりました」
_____気づいたら俺は、
そう返事をしていたのだった。
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S.O(プロフ) - 僕の名前はノートです@みゅーじさんさん» ありがとうございます〜!励みになります! (2018年12月21日 7時) (レス) id: 8a35597961 (このIDを非表示/違反報告)
僕の名前はノートです@みゅーじさん(プロフ) - 神ってますね!更新頑張ってください! (2018年12月21日 7時) (レス) id: cc36bc3fd9 (このIDを非表示/違反報告)
S.O(プロフ) - 綾波美舞さん» そんな神だなんて!恐縮です〜!ありがとうございます!! (2018年12月14日 22時) (レス) id: 8a35597961 (このIDを非表示/違反報告)
綾波美舞(プロフ) - この作品神ですね!お気に入り登録させていただきます! (2018年12月14日 21時) (レス) id: ebfeae08b9 (このIDを非表示/違反報告)
S.O(プロフ) - おもろすぎさん» なんだか照れちゃいますね!ありがとうございます、嬉しいです! (2018年12月10日 9時) (レス) id: 8a35597961 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:S.O | 作成日時:2018年8月16日 23時