* ページ3
結局、チャイムには間に合わなかった。
チャイムが鳴り終わる頃に教室に飛び込んで、煉獄先生のお叱りが飛ぶのを真剣に覚悟したものの、どうやら先生はまだ来ていないらしく。
ギリギリセーフ(アウト)!!
ほっとして席に付けば、前の席の女子がにやにやとしながら、振り向いてきた。
「へぇ、基本的いい子ちゃんAが、授業を遅刻ねぇ……。なぁに、男?」
謝花梅である。
ぱっちりとしたつり気味の目を細めて、華奢な指をくるくると回している姿は流石学園3代美女だなぁ、という美しさだが、今なんて言ったよコイツ。
「だぁかぁらぁ、男かって聞いてんの」
「違います! 教室帰ろうとしたら、伊黒先生に止められちゃってたんだって」
「やっぱり男じゃん」
「何でもかんでも男で
はぁ、と溜め息をつく私に目の前の美女は笑う。
兄妓夫太郎をも噛ませず、何だかんだで彼女と仲良くしている自分が何なのかと問いたくなる時もあるけど、まぁそれはそれでいいや。
「先生酷いんだよ? あと3分で授業始まるのにお説教くらわせるんだもん」
「怒るくらいなら帰らせろって?」
「そう! やっぱりそう思うよね。
私、先生に恨まれる事でもしたかなぁ……」
「さぁてね」
また溜め息が出そうになったとき、前のドアが開いて、煉獄先生が入ってきた。
「遅れてすまなかった! 授業を始めよう!」
雷頭の風紀委員が「起立!」と声をあげる。
その声にあわせて、のそのそと立ち上がった。
*
13人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ