後日談４ ページ48
月イチの女の子の日は、今月も絶好調である。重い
｢A起きんでええ言うたやんけ！｣
『あ、おはよう治〜』
しんどいけど今日は動ける方
リビングで寛いでいたら、寝癖をつけたままの彼が
寝室のドアをバァンと開けて元気良くやってきた。
｢おはよーさん。…やのうて！｣
『このくらい平気だよ…あ、そうだ』
ソファから腰を上げようとした時
光の速さでこちらへ来た治。寝起きなのに凄いや…
｢どこ行くん！｣
『白湯飲もうかなって…』
｢持ってくる｣
言いながらもう動いてるし。
お言葉に甘えて、またソファに座り直そうとしたのを辞めた。
『あ、ウォーターサーバーの水もうその一杯で無くなるよね？替え持ってくる』
｢んな重たいもん持たんでええ、俺やるから！｣
『余裕だし』
｢大事な身体なんやからじっとしとき｣
『妊婦じゃないんだから…』
ちょっぴり呆れながらも治の優しさに心が暖まって微笑んだ。
貴方が彼氏で本当に良かったよ。
｢何もしたらあかんで！夜飯も俺が帰って来たら作る！
やからゆっくりしとき。ええな？｣
そう言い残し仕事へ向かった治
まだ行ってらっしゃいして数秒しか経ってないのにもう寂しい
連休とか無いのかな、おに宮。無いか
数週間後
なんと奇跡的に連休が取れた治と旅行に来ました
宿泊するホテルは治が決めてくれて
今は部屋でのんびり寛ぎ中です。
天気は快晴。部屋からの眺めは180度海。まさに絶景
ベランダに出て景色を眺めていたら背中に重みを感じて
振り向かなくても治がそこに居るんだと分かる
｢A｣
『んー？』
前を向いたまま、後ろからする大好きな声に返事をした。
｢俺、Aと一緒に居られてほんまに幸せや｣
『私も幸せだよ』
｢これからもな、ずっとそばに居てほしいねん｣
私の体に彼の腕がまわり、手をぎゅっと握られる。
｢…愛しとーよ｣
『え…これ』
左手薬指に違和感を感じ、それを確認して
勢いよく彼の方を振り向き見上げた
｢A｣
『…は、い』
鼻の奥がツンとして、彼の顔がぼやける。
｢俺と｣
頬を伝う暖かいものが
大きな手に拭われ、微笑む彼の優しい瞳と視線が交わった。
｢結婚してくれませんか？｣
ああ、私、世界一幸せ者だ。
答えなんて、決まってる。
『…よろしく、お願いします』
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作者名：OX | 作成日時：2021年8月27日 8時
