おにぎり宮の店主さんに一目惚れした【宮治】 (ページ49)

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後日談５ページ49

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｢……うっわ…めっちゃ綺麗な花嫁さんおる…
旦那が羨ましいわ…｣

『旦那はあなたでしょーが』

｢…せやった｣

『……とか言っといてなんだけど。
どうしよう、治がかっこよすぎて直視出来ない…もう結婚しよ』

｢今日結婚式やろが｣

『あはっ、そうだった』

｢長年この仕事やってきましたけど
こんな緊張感の無い新郎新婦様、私初めてお会いしました…｣

『初めてだって』

｢光栄やな｣

｢…はあ、｣

ねえ、いつかの私。

あの時一目惚れした

おにぎり宮の店主さんは今

とても大切な人になって

貴女のそばにいるんだよ。

『結婚してくださいって散々言ってたの
本当になっちゃったね？』

｢おー、口説かれてもうたなあ｣

大丈夫。

少し遠回りしたけど、ちゃんと想い伝わったよ

ポーカーフェイスを貫いてた彼は

｢…でも、出会えて良かった｣

今ではこんなにも優しく笑ってくれて。

『ねえ、治』

挙式会場の大きな扉の前

この扉の奥には、大好きで大切な友達や親族が待っている。

今日はこの後2人きりでゆっくりできる時間はきっと無いから
今のうちに伝えておきたい

『私も治と出会えて良かった。
これからもよろしくね。愛してる』

｢…今言うなや｣

『ふっふっふ』

大きな扉がゆっくり開き、柔らかい光が私達を包んだ。

あの日の私が、今日この日の事を知ったら

どんな反応するんだろうか。

そんなの当たり前じゃん？って言うかな？

それとも、良くやった！って喜ぶかな？

はたまた、信じられないって笑うかな？

｢俺目ぇ瞑っとるやん！もっかい撮ろ！｣

｢目ぇ瞑っとんのツムだけやしええやん。コレで｣

｢俺の携帯もう充電切れそうだしこれでいいじゃん｣

｢嘘つけ角名！お前さっき充電しとったの知っとるで！｣

｢Aちゃんほんまに治と結婚してもうたなあ。おめでとーなぁ
孫の顔見せに来てなぁ｣

『ふっふ、ありがとうございます北さん！
その時は伺いますね、あと孫じゃないです！』

｢治なら俺も安心だわ。おめでと、A｣

『京治ありがと、これからもよろしく親友！』

披露宴の間、ゆったりと流れる

“人生で一番幸せな自由時間”って言われるこの瞬間に

負けないくらいの幸せを

彼の隣で、これから先も、ずっと。