おにぎり宮の店主さんに一目惚れした【宮治】 (ページ3)

今日:4 hit、昨日:42 hit、合計:200,789 hit

3個ページ3

＿＿＿赤葦side

｢この店、｣

『おにぎり屋さん…最高じゃん』

おにぎり宮は、Aの新居から割と近所だということにこの時気がついた。

いつでも食べられる距離に治の店があるのはちょっと羨ましい…

いつぶりかも分からない本店の扉を開け、暖簾をくぐった。

｢治、久しぶり｣

｢赤葦くん！ほんっまに久しぶりやな｣

｢A、こちらこの店の店主で俺の友達の、｣

｢宮です。よろしゅう頼んます｣

『…へぁ…………あ、京治の幼なじみのAAです。よろしくお願いします』

彼女にしては静かな挨拶だなと思った。

その後、いくら話しかけても
少々頬を赤らめながら、ただただぼーっと治を見つめるA

恐らく俺の声は今、Aに届いてない。

あ…きっとこいつ、治に

『一目惚れしました』

やっぱりな。

まあ確かに治は男前だし、分かる。けど唐突すぎやしないか？

治はこういうのに慣れているんだろう。適当にあしらって手元は作業。

それでも食い気味に
好きだ、付き合ってと声を張るA。

でも、こんなAの姿は初めて見たから内心驚いた

恋愛においてはいつも消極的だったのを知ってるから

正直、上手くいって欲しいなと思った。

治なら何も心配いらないし、結構お似合いなんじゃ？なんて。

だけどこのままじゃただの鬱陶しいお客に認定されてしまう。
それじゃ今後Aが傷ついてしまうだろうし
治にも迷惑かかる。

だから今日のところは、

｢ごめん、治。A普段こういう子じゃないんだけど…。今日はおにぎり持ち帰りにしとく｣

無理矢理Aを連れて、店を出た。

･