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「お待ちどーさまですー」
『渡辺くんありがとー』
渡辺くんがおにぎりを運んできてくれたと同時に
宮さんは銀髪のお客様の方へと行ってしまった。
そんな宮さんを横目におにぎりを一口頬張った時
出入口の扉が開き、ふわっと香水の匂いが風と共に店内に流れ込んだ。
『う゛っ…』
何種類か混ざったようなキツめの香りが私の鼻をつき
むせ返る。
隣を見たら侑も険しい顔をしていた。
『あつむ、大丈夫?』
「…ん」
いや、めっちゃ機嫌悪くなってるじゃん。
店内に入ってきたのは2人組のお姉さんだった
綺麗系と可愛い系。どちらも背は高めでスタイル良し、顔良し、服装良し。
香水が強めだけどそれすら許してしまいそうなハイスペックや…羨ましい…
「おっさむ〜!こっち来てやぁ」
綺麗系の女性は、宮さんの手を引いて
カウンター内から引きずり出してる。
私もあのくらい綺麗だったら、あのくらい積極的にできたら
宮さんに少しは相手してもらえるのだろうか。
「えっ!侑も居るじゃ〜ん!」
いつの間にやら私の椅子の真後ろには可愛い系の女性が居る。
お邪魔しちゃ悪いな…と思い
おにぎりの乗ったお皿とお水を持って中腰で席を立った。
すると待ってましたと言わんばかりに、その彼女は
つい今まで私が座っていた椅子に腰掛けた。
席移動するにも、どうしようかなぁ。一人でテーブル席占領するのもなぁ…
カウンターで空いている席は、あそこ。
『…すみません。隣いいですか?』
「はい、どうぞ」
銀髪の男性の隣にお邪魔する事にした。
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作者名:OX | 作成日時:2021年8月27日 8時