僕に何かようですか…？

傷 ページ47

Aside

逃げられる隙を何回か見つけようと試みたが

残念ながらそんなチャンスに巡り会うこともなく、行動に移せる訳でもなく蹴られ殴られ気付いたら誰も居なかった

昼休みは残り10分

5分間蹴られ続けたのか

肋折れてしまうよ…

手摺に掴まり上体を起こす

『いっててて…勘弁してくれ…』

過擦り傷、痣、痕、こんなんバレるて…

取り敢えず何事も無かったかのように屋上行けば大丈夫か

背筋を伸ばして普段通りに階段を上る

背骨ぇ…背骨…耐えてくれ僕の背骨

淡々と上り続けて屋上の扉の前

ｶﾞﾁｬ

さ「ﾋｰﾋｰwww」

爆笑してるさとみの声が響き渡っていた

莉「あ、戻ってきたみたい！」

りーぬが僕に気付き手招きをする

ジ「ちょっと遅かったけど…やっぱり」

『違うって…！w』

バレないかな…

こ「あっれ、A何かさっきと違うんだけど」

ｷﾞｸｯ

『へ？ど、どこが？』

引き攣る顔が、僕の表情筋が

な「あー確かに過擦り傷みたいなの沢山出来てるね、どしたの？」

『いやぁ、御手洗行く時に階段で転けちゃってw』

な「大丈夫？」

『はい…！全然』

はぁぁぁ、良かったぁぁ…

る「そういえば前もぶつかって転んだって言ってましたね」

莉「確かに」

こ「転ける症候群？」

あるか！そんな症候群w

『症候群www転けやすい体質なのかもねwww』

な「あ、5分前だ！戻らないと次の授業始まっちゃうよ！」

ジ「本当ですね…！そろそろ屋上から出よう！」

皆「はーい」

屋上を出て階段を下りる途中にさとみがずっと僕を見ていた気がして

少し、怖かった

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