▼阿部、動きます! ページ21
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お昼休憩中、テラスでボーっと目を閉じて太陽を浴びているとふ、と影が差した。
誰だろうと目を開くと、「こんにちは」と爽やかさ全開の阿部さんだった。
「隣いいかな?」
「は、はいっ! どうぞ」
二人用のベンチに私と荷物。荷物を慌てて膝の上に移動させて阿部さんの席を確保した。
「ありがとう」と隣に座って食堂でいれてきたんだろうカップコーヒーを一口飲んでいる。
「最近どう?」
「……えっと、お仕事は楽しくやってます」
「ふふ、"お仕事は"か〜」
持参した水筒のお茶をクイッと飲んで、阿部さんは何処まで知ってるのかなぁって疑問が浮かんだ。
チラッと見上げたら、さらっと前髪が風に揺れてていて爽やかな香りがした。
「佐久間のこと、よく面倒見てくれてるようだね。ありがとね」
「いえそんな。一応家族…ですし」
家族って自分の口から出て、胸の奥がチクリとした。
嬉しかったはずなのに、ママに大切な人が出来て幸せになってくれると同時に実はほんの少し寂しくも思って。
けど一人にならずにすんで、私には充分すぎるほどの広い部屋で好きなだけ自由にゲームもでき、働き出したことによって収入も増えたおかげで今では部屋の中にゲームグッズがいっぱいだし。
それをとやかく言われるどころか、大介さんは自ら「これいいよ〜あげる〜」て、私が手に入れられないような非売品グッズをくれたりもする。
寂しいと思う暇もなく楽しく暮らせているのは、たぶん大介さんのおかげだ。
「家族ってさ、色んな形があるじゃない」
色んな形?
「親子、兄弟、親戚、そして夫婦」
「はあ、」
何が言いたいんだろ?
「佐久間にはね、二次元以外にも守らなきゃいけないものができた。それは何千人っていうこの会社に関わる人達ね。それってさ想像以上に佐久間の負担になってると思うんだよね」
そっか。確かにそうなのかも。
急に社長になって色んなプレッシャーや重圧に耐えていそうだもん。
いつも煩いなってくらい元気だけど、時々ふとした時に目を瞑っていることがあって、嫁たちに囲まれてたら充電できるとか言ってたくせに一瞬カクッと睡魔に襲われてるんだと思う。
充電できてないじゃん、疲れてるじゃんって。
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三色団子(プロフ) - とても2人が可愛かったです!!また番外編作ってくだいさいいいいいいいいいいいいいい (2022年9月12日 17時) (レス) @page40 id: 63bbf48442 (このIDを非表示/違反報告)
三色団子(プロフ) - 完結おめでとうございます!!!!!!!! (2022年9月12日 17時) (レス) @page40 id: 63bbf48442 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - 彩菜さん» コメント有難うございます!!わあっ、とっても嬉しいです(^^)有難うございます!!キュンキュンしてもらえ良かったです☆ (2021年6月9日 8時) (レス) id: 21f13df572 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - あやかぽん。さん» 最後までお待たせしました!そしてお読みくださり有難うございました(^^)大人のグッズどうだったでしょうね(笑)それはまた…です←最後の最後に爆弾仕掛けて終わりました(笑) (2021年6月9日 8時) (レス) id: 21f13df572 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - あきさん» コメント有難うございます!ヤバいですよね(笑)これ本当は本編に入れたかったネタなんですが都合上入れられず番外編へ(笑)色々この後の妄想を読んで下さる方にしてもらおうと思って書きました← 続きは毎度の事ながらベッターであげる予定です(^^) (2021年6月9日 8時) (レス) id: 21f13df572 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆきんこ | 作成日時:2021年5月17日 15時