従兄襲来05 ページ9
あの後、先生、アンリ、アーノルドが見守る中、スティーブと踊る事に。
いつの間にかルーイも来てたのか、目付きが悪くなっている。
ちょっと、私は悪くないんだからね、悪いのはスティーブだからね。
睨むならスティーブだけにしておいてよ。
「アリスお嬢様、少し宜しいですか?」
ルーイが笑顔で私を呼ぶ。
目が笑ってないのは、敢えて見なかった事にしよう。
「お前な、スティーブが嫌いだってのは知ってたけど。ダンスは踊れたのか」
「違うわよ。先生とスティーブに推しきられただけ。…そうじゃなかったら、誰が好き好んでスティーブと踊るのよ」
「…だよな」
こそこそと話す私たちに、スティーブが声を掛けてきた。
「二人はなにをしている?ナイショ話をしていないで、俺も交ぜてほしいな」
交ぜられるか。
あんたが交ざればカオスだわ。
まさか、それをわかっての事なの?
「スティーブ様、書斎には向かわれないのですか?旦那様の許可は頂いておりますが」
「あぁ、そうだったね、アーノルド。アリスとのダンスが楽しかったから、つい忘れていたよ。では、アリス。昼食時にまた会おうね」
アーノルドの案内の元、スティーブは漸く書斎に向かった。
先生は残念そうな顔でスティーブを見送ったけど、私は内心大喜び!
ではあるけれど、お昼にまた会わなければならないと思うと、憂鬱。
「アリス様、本日のダンスのレッスンは終了致しますが、なにかございましたら、ご連絡下さいませ」
「ありがとう、先生。そう言えば、兄様の講師もしていたみたいだけど、短期間だったって本当?」
先生は当時を思い出すと、少し悲しそうな顔をする。
…なにかあったのかしら?
「アリス様はお小さいですから、覚えてはおられないかもしれませんね。二年程前まで、私は妻とスティーブ様のお屋敷に通っていたのです。…妻は流行り病にかかり、その年の内に亡くなりました。アリス様も妻とは何度か会っているのですが…」
「…覚えてるわ。とても上品な女性だったから。従兄やお兄様たちへの指導は厳しかったけど、終われば私を構ってくれてたから」
…そうだったんだ。
あの綺麗な人は、亡くなってしまっていたの。
子供の私には教えないように、隠していたのね。
天国へ旅立った、と言わない所が先生がまだ奥さんの事を好きだけど、現実であるのをわからせる為に言っているように聞こえる。
受け止めてはいるけど、心の奥底ではまだ、奥さんを愛しているからこそ受け止めきれないのね。
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颯貴@きっちょー(プロフ) - とっても面白かったです!するする読めちゃいました笑笑 少し気になったのですが、行間がほんの少し狭いように感じたのでもう少し行間をとったほうが読みやすいのかな?と思います。個人差あると思うのであくまで参考程度にですが… (2021年12月13日 18時) (レス) id: 5b8feef754 (このIDを非表示/違反報告)
葦原 さくら(プロフ) - printemps(プランタン)さん» 初めまして、コメントありがとうございます。“良性発作性頭位目眩症”と言うのが、作者がなっている目眩です。BPPVと検索して頂くと詳しくわかりますよ (2020年7月5日 23時) (レス) id: 41f7d823e5 (このIDを非表示/違反報告)
printemps(プランタン)(プロフ) - 目眩症…? (2020年7月5日 10時) (レス) id: adf0bec428 (このIDを非表示/違反報告)
葦原 さくら(プロフ) - ミントさん» 初めまして、コメント有難うございます!!全部読ませて頂きました。此処まで言って頂けるのは貴重なので助かります。これから少しずつ直していきます。読み返してみないとわからない物ですね。応援も有難うございます。これからもこの作品を宜しくお願い致します (2020年6月26日 20時) (レス) id: 41f7d823e5 (このIDを非表示/違反報告)
ミント - というか主人公って正統派ヒロインポジなのでは…(笑)?
王妃様も前世の記憶持ちなのかが今は気になってます。
続きがとても気になります。応援してますね。
連投・長文コメントで申し訳ありません。 (2020年6月26日 19時) (携帯から) (レス) id: 4f4058a2da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:葦原 さくら | 作成日時:2019年8月25日 20時