両親は悪役貴族、娘の私は悪役令嬢…よね？

閑話 父と母と(クラウスside) ページ43

父上と母上が、王宮でお茶会を開く事にしたとアインハルトが教えてくれた。
アリスは来てくれるだろうか……？
最近時間が合わなくて、中々会う事が出来ない。
こんな機会でもない限り、顔を合わせる事も出来ないなんて。
僕からの誘いは断られる可能性があるけど、父上から公爵に参加するよう手紙を書いて貰えば、参加しなきゃなくなるよね。
ふふっ、アリスを困らせたい訳じゃないけど、これで会えるなら話は別だよね。

「−−ただ、問題なのは……」

フリードリッヒの事なんだけど。
父上に付き従って居るから、中々顔を合わせない。
父上に頼んで、アリスやルーテシア公の事を説いて貰った方が良いのかな…？

「クラウス様、国王様がお呼びです」

タイミングが良い。 父上になんとしてもアリスを呼んで貰わなければ。
父上はどうやら執務室に居るとの事で、其方へ足を運ぶ。
途中、フリードとすれ違ったのだけど…、不機嫌そうな顔をしてたな。

「父上、なにかと人を使うんだよな…」

人使いが荒い。と言ってしまえばそれまでだけど。
フリードも、かなり使われてるんだろうな。

「父上、クラウスです」

「待っていたよ、クラウス。アリス嬢を呼ぶために、私の名前でカロル公を呼んだ事をまず話しておこう。彼女は賢い子だから、もしかすると来ないと言う選択をするかもしれないからね」

父上も同じ事を考えてたのか、先手を打ってくれてたとは。
その事に関してお礼を伝えると、少し苦笑いが返ってきた。

「クラウス、お前の執事を務めているフリードリッヒ。あれは優秀ではあるものの、考えが堅いな」

……、まさか父上からそんな話をされるとは思わなかったから驚いた。

「こう言ってはなんだが、仕事は出来る方だ。でも、アリス嬢の事が絡むといかんね。話にならん」

其処までアリスを否定するのは何故なんだ。
何故アリスだけ……、いや、ルーテシア家に負の感情を持っているのか。

「クラウス、彼の弟であるアインハルトはどうだね。良く働くと聞いてはいるが」

「はい。色々なものに気が付き、対応も悪くはありません。アリスの事も、彼女の希望で友人のように接していますし」

アリスがアインハルトと親しくするのは、アリスの交友関係に繋がるから反対はしない。だけど、もっと僕を頼ってほしい。婚約者としてだけでなくて、男としても。……まぁ、アリスが僕のそんな気持ちに気付いてくれる事はないのだろうけど。……さて、クリスの様子でも見に行こうかな。

さくらの独り言(追記、読んで頂けると嬉しいです)→←湖の畔で03

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