湖の畔で03 ページ42
本当に怖かった、とアーノルドに伝えると苦笑いを浮かべていた。
これって、ストーカーな域ではないの?
なにあれ、私に会えると思って……とか。
家庭教師の先生来ない日じゃないの、とか。
なんで私の予定を知ってるの?
ん? 可笑しくない? ヤバくない?
いや、ヤバいのは今日知ったけど。
……あああああっ、本当にビビった。
シャノンにこの事を伝えると、笑顔だった顔をスッと無表情に変え、一人にならないようにと釘を刺されてしまった。
笑顔を絶やす事のないシャノンを無表情にするなんて、やっぱりリリアは関わってはいけないなにかがあるのね。
「アリス様、少し宜しいでしょうか?」
部屋に入ってきたアンナが持ってきたのは、私の大好きな茉莉花茶。
元居た世界で大好きだったから、お父様に頼んで取り寄せて貰ったのよね。
……じゃなくて、アンナは一通の手紙を私に手渡した。
差出人は書かれてなくて、黒の少し汚れているような封筒に入っている。
一枚の便箋に書かれていたものは、一言だけだった。
“−−リリア嬢やフィーリア家の者に近付くな。さもなくば、その身に
「−−アンリは、この手紙の信用性はあると思う?」
「信用性はなんとも言えませんが、用心に越した事はないと思われます。シャノンさんやアーノルドさんも同意されると思いますし、なによりアリス様が感じられた違和感と悪寒の方を信用するべきかと」
そうよね、あれだけ怖いんだもの。背筋も凍ったし。クラウス様や国王様ご一家に何事もなければ良いんだけど……。
「アンリ、この事は屋敷の使用人全員に話を通しておいて。お父様たちには私から相談してみるから」
「畏まりました」
アンリが出て行くのを確認し、代わりにルーイが入ってきた。ルーイの手にはいつの間にか、アンリが持ってきたあの手紙が。
「−−かなりヤバいご令嬢に絡まれたものだな、アリス」
「勘弁してほしいくらいよ。穏やかな(悪役令嬢)生活が送りたいだけなのに、これじゃ先行きが怪しくなってしまうわ」
悪役令嬢、と言ってもいまだにイメージ出来てないけど。誰を手本にするべきなのかとか、この世界での悪役令嬢を生で見てみたいんだけど……。
「ありす、常に執事の誰かを側に置いておくようにな。男の方がなにかと便利かもしれないからな」
なにが起こるかわからないし、ルーイの言う通りね。何事もなく、リリアと関わる事もなければ良いんだけど……。
68人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
颯貴@きっちょー(プロフ) - とっても面白かったです!するする読めちゃいました笑笑 少し気になったのですが、行間がほんの少し狭いように感じたのでもう少し行間をとったほうが読みやすいのかな?と思います。個人差あると思うのであくまで参考程度にですが… (2021年12月13日 18時) (レス) id: 5b8feef754 (このIDを非表示/違反報告)
葦原 さくら(プロフ) - printemps(プランタン)さん» 初めまして、コメントありがとうございます。“良性発作性頭位目眩症”と言うのが、作者がなっている目眩です。BPPVと検索して頂くと詳しくわかりますよ (2020年7月5日 23時) (レス) id: 41f7d823e5 (このIDを非表示/違反報告)
printemps(プランタン)(プロフ) - 目眩症…? (2020年7月5日 10時) (レス) id: adf0bec428 (このIDを非表示/違反報告)
葦原 さくら(プロフ) - ミントさん» 初めまして、コメント有難うございます!!全部読ませて頂きました。此処まで言って頂けるのは貴重なので助かります。これから少しずつ直していきます。読み返してみないとわからない物ですね。応援も有難うございます。これからもこの作品を宜しくお願い致します (2020年6月26日 20時) (レス) id: 41f7d823e5 (このIDを非表示/違反報告)
ミント - というか主人公って正統派ヒロインポジなのでは…(笑)?
王妃様も前世の記憶持ちなのかが今は気になってます。
続きがとても気になります。応援してますね。
連投・長文コメントで申し訳ありません。 (2020年6月26日 19時) (携帯から) (レス) id: 4f4058a2da (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:葦原 さくら | 作成日時:2019年8月25日 20時