後、8日。 ページ1
自転車をこぐ足はいつもよりも軽やかで。
校門前に立っている先生へのあいさつもいつもより元気で。
いつもはやらない階段の二段飛ばしもしちゃって。
教室のドアもいつもより滑りが良く感じてしまう。
そんな、特別な日。
『おっはよーう!』
この通り私はいつもより上機嫌。
なぜかって…?それはね、
「おはよう、A!
誕生日おめでとう!」
『ありがとー美結ーーー!!!好きぃぃぃぃぃ!!!』
そうっ!!
今日は私の誕生日!
高校生にもなって…誕生日が嬉しいって…
ばかみたいとか言わないでね!?普通に嬉しいんだからっ!
「ねね、A
これなーんだ!!」
といって美結が見せたのは
『袋…?』
手のひらサイズの…薄っぺらい。
ちょうどチケットが入ってそうな感じの。
「あけてみて〜」
美結はニヤニヤしたままこっちを見ている。
なんなんだ…
『え、棒ねずみーランドのチケットじゃん!!』
え、しかもペアチケットなんだけど!!
「Aは私が大好きだもんね!!!私とネズミーランド…行きたいよね…?」
ニヤリと、いたずらっ子のような笑みを浮かべる私の親友は可愛すぎか。
『やばい、美結、神過ぎる!!!行く!!』
私が年相応にはしゃいでいるときだった。
「え、今日、藤城、、誕生日なんだー」
話しかけてきたのは、アイツ。
『…中村
…そうだけど?文句あるんですかー?』
席が隣の中山翔都。サッカー部所属で、運動ができる。
だけど、性格が……だ。顔は悪くはないと思うけど?
人を煽るのが趣味。何とももったいない人種。
まとめると、運動ができるイケメン無駄使い。
「いや?せっかくの藤城サマの誕生日なのに何もないから申し訳ないなーと」
ふーん、誕生日知らなかったこと、気にしてくれている感じ?
『じゃあさ、私の言うこと、何か一つ聞いてよ』
何ともないように言った言葉の、奥底に隠された気持ち
君は、気づかない。
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作者名:リアナ* | 作成日時:2020年5月8日 3時