桜色のオーロラ姫【ダイゴ】part2

Princess　Aurora＊　番外編 ページ35

伝説の巨石についての調査が終わり、私達はカナズミシティで報告書を作っていた。



「ダイゴさん、頼まれてた資料、作り終わりました」


「ありがとう、そこにある水色のファイルボックスの中に入れてくれるかい？」


「わかりました」


カタン、と言われた通り、箱の中に資料を入れておく。


そのすぐ近くには、かなり濃い目のブラックコーヒーのカップ。


……あれ、冷めてる。さては。


「……また、寝れてないの？ダイゴさん」


「え？あぁ……そんなことないよ？

眠すぎてさっき、ここで少し寝ちゃってたし」


「机に突っ伏して寝ることは睡眠ではありません。仮眠です」


まったく、この人は……。


私や周りの人にはすごく心配して休ませるのに、自分のことをないがしろにしすぎてますよ。


「あ、今ダイゴさんあくびした！！」

「え？」

「眠いんですよね〜わかってます、さぁ！」


ダイゴさんの仕事場には、すぐ隣の部屋で休めるようにベッドがある。


「え……わかった、じゃあこの資料作り終わったら！！」


「……約束ですよ？

じゃないとサイコキネシスでエーフィにベッドまで移動させます」


「わりと強行突破だよねそれ」



んー、じゃあさいみんじゅつでも使います？



数分後。



「……ふぅ、終わった！！」


「はい、じゃあ寝てください！！」


椅子に座って伸びをするダイゴさんに、手を差し出す。


グッと引っ張り、立ってもらった。


「……」


ぽん、と無言で頭に手を置かれる。


「寝ぼけてます……？」

「あはは。起きてる起きてる。

ただ……

………ううん、何でもないや」


「え、それ1番気になるやつですよ」


教えて下さいよ、と言っても、やっぱり何でもない。とはぐらかされる。



ぐいぐいと休憩室に背中を押していき、ドアを開けた。


「じゃあ、少し寝てくるね」


「了解です！」


「ありがとう、それじゃ」


「おやすみなさい、ダイゴさん」


「おやすみ」


パタン。


(ふぅ、やっと寝てもらえた)



それにしても、あの突然の頭ポンはなんだったんだろう。



……まさか、ちびだと思われた？


いやいや、確かにダイゴさんよりは小さいけど別にちびではない！



だって私は160センチで、平均より2センチ高いくらいだし。


うーん………？


(ま、いっか。後でダイゴさん起こしに来よう)



その頃。


(夫婦みたいだなぁとか思ったなんて言えない……！！！)


少しドキドキしてしまったらしい。

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