天才剣士はポンコツでした【沖田総悟】 (ページ45)

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ポンコツ44 ページ45

『気を付けろ…か』

Aは局長室のことを思い出しながら布団をしいていた

高杉が自分を狙っているのか確証はなく、打つ手なしの状態だった

だが、そんなのをいちいち気にするAでもなく

大切な刀を抱いて布団に入った

もう目を閉じて寝るところだったのだが

障子が開かれる音がした

Aは飛び起きて、刀に手をかけた

沖「もう寝てたか？」

『総悟くんか…
いいえ今からです…』

安心したようにAは刀から手を離した

沖「そうかィ…」

そのまま沖田は出ていくのかと思いきや

部屋のすみに座ってアイマスクをつけ始めた

『総悟くん？』

沖「なんでィ？」

『……な何をしてるのかなって』

沖「何って見ればわかるだろ？
今から土方コノヤローを殺す夢に突入するんでさァ…」

『なるほど…
んーと、ここでですか？』

沖「悪いか？」

『…悪くは………ないですけど
そんなとこじゃ眠れませんよ？』

沖「フッ…だったら一緒に寝てくれるのかィ？」

半分本気で半分冗談のつもりだった

『えっあっいいですよ
どうぞお布団、使ってください』

それなのにAはどちらとも受け取らず、丁寧に布団を差し出してきた

沖「………はぁ～」

沖田は深いため息をついた

Aがあまりにもお人好しすぎたからだ

沖「おめぇは…金貸せって言われてもないのに金を貸すのか？」

Aはきょとんとしていた

沖「重症だな…」

『えっ』

そこだけはわかったらしい

沖田の様子を深く伺いながら、

『はやく休んでください』

といってきた

沖「ばーか重症はてめぇだ A…」

『…えっ？』

本気で驚いたようにAは頭を押さえながら、どこだどこだと探し始めた

沖「自覚なしが一番やばいらしいでさァ…」

『ちょ、何てこというの！？
どこですか…？どこが重症なんですか？』

沖田の一言でAはさらにあたふたしだした

それを見て、沖田は笑い

そのまま、あたふたしているAを押し倒した

『わっ…』

それからスムーズに布団をかぶせ、Aを沖田が抱き締める形でそこにおさまった

沖「俺ァ…ねみぃんだ
……おやすみ」

沖田はそこから本当に眠ってしまった

抱き締められていて身動きがとれなかったAは諦めて一緒に眠った