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ポンコツ37 ページ38

沖田Side





腕のなかで体を強ばらせるAがとても小さく見えた






剣の腕は申し分無いくせに、






こうゆう姿を見せられるとコイツにも弱い部分があるとわかってしまった






思い返せば 最初の頃は刀を抱いて寝てたな…






あれで相当な修羅場をくぐってきたのはわかったが、それ以上にAの弱さの現れだったのかもしれねぇ






誰も信用できない






そんな雰囲気だった…







だが、いまこの瞬間はAは沖田に体を預けていた






震えはとまり、まるで母親になだめられた幼子のように安心しきっていた







『……ありがとう』






泣いていたせいで声がかすれていたが確かにそう言った






沖田はAを一層強く抱きしめた







礼を言われる覚えはないんだがな…






『総悟くんは…優しいですね…』






Aは後ろから抱きしめている沖田の手にうずくまり、少し微笑んだ






そして決心したかのように話始めた






『コレは…ある人の……恨みなんです』






左腹部を押さえながらAはいう






沖田はAがいったコレが指すものを思い出していた






風呂場でみて、目を疑ったもの







Aの白い肌ににつかわしくないほどのもの








それは…







『真っ黒い焦げあとと…刺し傷』







沖田はまた聞くべきか迷った







このことを話すにはどれだけの勇気が必要か、見当もつかなかったからだ







それでもAは続ける






次は沖田からまわされた腕をつかんで、不安を和らげようとしているのがわかる







『その人とは何を話したのか、もう覚えていません

ただ、その人に私は捕まってしまって
始めにお腹に焼き印を押されました

それからその人は、毎日毎日…焼き印を押した場所を刺すんです

傷が深いときは手当てをしてくれて…それが治るか治らないかのところでまた刺されたと思います

数年前のことですね…
私はなんとかそこから逃げ出した……

うーん…やっぱり記憶があやふやです…』






辛いことを思い出したであろうAは案外、あっさりしていた







痛みなんかわからなくなるほどの記憶…








沖田は腹の底から込み上げてくる真っ黒いものと戦っていた







Aにそんなことをしたやつ…







どこのどいつか知らねぇが







見つけたらバラバラに斬り殺してやりまさァ……







沖田はもう真っ黒いものとの決着をつけていた







"殺す"の一択で……

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作者名:のだ。 | 作成日時:2018年8月22日 14時

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