難癖あるけど気になってる。 (ページ9)

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じゃあ行こうかページ9

認証はA自身、という近未来な方法で扉が開く
今日から住まう最上階のこの部屋は道のりに20人の警備員を配置されている

壁は片面ガラス張りでパシフィック銀行前通りがよく見える
ガラスをなぞる様に触れ、人歩く様、車の通りに大変そ〜とくすくす笑う

『人間は大変だよねぇ

上がりもしない給料にしがみついて仕事して……あ！みてみて！子供がちゃんと手あげて歩道わたってるかわい〜〜〜〜〜〜ッ

……まぁそこからじゃ見えないか

こっちおいでよ、冬野雪(ゆきんこ)さん』

ゆ「っ、ここはどこなのだ……」

『私自身が鍵(キー)となる部屋だよ

私しか開閉しない扉で作られたマンション…作るの大変だったなぁ』

ゆ「そんなの知らない！解放してほしいのだ！」

『だから解放してあげたって、警察から。極秘でね』

ゆ「それは望んでないことなのだぁ…！」

わぁ、と叫び出す冬野にうるさいうるさいと耳を塞ぐ

つい数十分前、所内で権力あるsasatikk山本と釈迦を此方に護衛目的でおびき出している間運良く牢に入れられたばかりの冬野を昔馴染みの知人に連れ出してもらった

連れてくる時は目隠しもせず脅しも傷つけもせずに丁重に運んできたというのに、話聞かない五月蝿いのコンボにAは呆れてソファに埋もれる様に座る

『はぁ…ALLINだって聞いたから連れてきたのに期待はずれだったかなあ』

ゆ「皆になにかする気なのだ！？というか誰なのだ……！！」

『みんな、には興味ないよ。私は兄さんに会いたいの』

ゆ「何を言ってるのかわからないのだ！ぼくを皆んなの所に返して…！！」

『それはいいよ、道案内してよ。送ってあげる』

ゆ「え、そんな簡単に帰れるのだ…？」

『もちろんいいよ、アジトに行けるなら兄さんに会えるから』

ゆ「……ユニオンまででいいのだ」

『えぇ〜なんでそうなるの？

あのまま牢に居たら罰金と刑務作業が待ってたんだよ？それを助けてあげたのに…

今からこの人手錠付けたまま逃げてましたっていって警察に突き出してもいいんだよ？』

ゆ「…！」

『うん、状況分かってもらえて嬉しいな

じゃあ行こうか、ALLINのアジト』