View of blind【ONEPIECE】 (ページ10)

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8話ページ10

　
　
　
『え、いえ僕は…』

「A様はこの国で一番頭がいいんだよ！」

言い淀んでいると側にいた子どもが僕の足に抱きつきながら勝手に返事をする。

ﾙﾌｨ「本当か！？」

ずいっと声の主が近づく気配がした。
なんだか嫌な予感がするのは気のせいかな…？

ｻﾝｼﾞ「おいルフィまて「おれの仲間になってくれ！」ｯ遅かったか…」

…今なんて言った？
「仲間になって」だって？
こんな僕のどこに魅力を感じたって言うの？

『あの、聞き間違いでなければ…今、仲間になれ、と…？』

ﾙﾌｨ「おう！」

『なぜ、僕は盲目で、船に乗ったこともないんですよ？どうして僕を誘うのですか』

ﾙﾌｨ「目が見えねぇとか関係ねぇだろ！おれは、賢いやつに仲間になってほしいんだよ！」

ｳｿｯﾌﾟ「そんなおれたちがアホみたいな…」

ｻﾝｼﾞ「賢くはねェな。だがルフィ。コイツはこの国の王子だぜ？期待はしねェほうがいい」

サンジくんの声がどことなく冷たい…気がする。
やっぱり、目が見えないってことに失望したかな。
これじゃあ、君との約束が果たせないもんね。

『…そうですね。僕は国王のために働くのが仕事なので』

ｻﾝｼﾞ「ただし、だ」

サンジくんに言葉を遮られる。

ｻﾝｼﾞ「お前はどうしたい？国王サマのために働きてェのか？」

『ｯ！』

…君には全部お見通しなのか。
僕だってあの人の命令なんて聞きたくない。今さら都合のいいように扱われていることも気に食わない。

それでも、僕は国民を護りたい。
僕を温かく受け入れてくれる人を助けたい。

「もう我慢はお辞めになられてはどうですか」

『！？』

「貴方様は国民のために御自分を犠牲にしすぎです。何故貴方にこんな仕打ちをした人物の言うことを黙って聞いているのです」

この声は…宝飾店の主人だ。長いこと城に出入りしているお抱えの者で、「こんな仕打ち」と言いながら僕の目尻を撫でている。
きっと僕以上に苦しそうな表情をしているのだろうと思うと胸が締め付けられる。

ｿﾞﾛ「待て。お前の目が見えなくなったのは…」

今まで僕を警戒していたからか、黙っていたゾロさんが声を上げた。

こうなったらもう言うしかない。

『僕の目が失明した原因は、国王その人です。あの人が作らせた薬で……僕は7年前から、光を見ていません』

忘れもしない…目薬と嘘をつかれて点眼された劇薬。
頬に触れた侍女の熱い涙を。

　