View of blind【ONEPIECE】 (ページ4)

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2話ページ4

　
　
　
『……んん、あれ、寝ちゃってた…』

部屋に戻ってもすることがなくて、ベッドに寝転んで本を読んでいたら眠ってしまったみたいだ。

お腹すいたなぁ…
お昼食べそこねちゃったし、今は厨房にいるのバラティエの人たちだろうからご飯もらいに行けないや。

暗くなった窓の外を見ながらぼんやりと考える。
…もしかしてバラティエの人たちがいる間ご飯抜きだったりする？

あ〜…その可能性も現実味を帯びてきたぞ。
サンジくんと話したのはお昼前だったから、そこからずっと放っとかれてるってことは…

断食生活の始まりかな…

ｺﾝｺﾝ)

『ん？はい』

「坊ちゃん。ご夕食を持ってまいりました」

『え、僕の？』

「他に誰がいるんです？」

侍女はくすくすと静かに笑う。
だって持ってきてくれると思わなかったし…

『料理長が作ってくれたの？』

「いいえ。バラティエの料理人の中に坊ちゃんくらいの歳の方がいらっしゃいまして、オーナーシェフに坊ちゃんの料理を任されていましたよ」

『サン……そっか。お礼を言っておいてね』

「はい」

危ない。サンジくんって言いかけちゃった。
黙っていてと頼んでおいて僕がバラしたら意味がない。

『…クリームシチューだ。美味しそう』

「食器は後で取りにまいりますので、食べ終えたら置いておいてくださいね。失礼いたします」

肉をすくって口に運ぶ。
柔らかい…こんなに美味しい料理は食べたことないな。料理長には申し訳ないけど。

こんなに料理上手で見習いなのか…
凄いなぁ。得意なことがあるっていいな。

いつもは少ししか食べられないんだけど、気づけば皿にたっぷりと盛られていたシチューを完食していた。
美味しかった…

ｺﾝｺﾝ)
『どうぞ。すごく美味しかったって伝えてくれる？』

ｻﾝｼﾞ「へぇ、そりゃ良かった」

『え？』

訪ねてきたのは紛れもなくサンジくんだった。

『あ、ごめ、使用人だと思って…』

ｻﾝｼﾞ「いいさ。美味かったって？」

『うん！見習いって言ってたけど、とっても料理上手なんだね』

ｻﾝｼﾞ「おれなんかまだまだだよ」

謙遜はするものの嬉しそうだ。
あんまり褒められてなかったりするのかな。

『…それで、君はなんで料理人になろうと思ったの？ヴィンスモーク・サンジくん』

「！」

深い意味はなく言った言葉だった。

次の瞬間、僕の背中は壁についていて、顔の横にサンジくんの足があった。

　