View of blind【ONEPIECE】 (ページ12)

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10話ページ12

　
　
　
ｳｿｯﾌﾟ「ひ、人がたくさんいるからいいけどよ、どうやって王様を倒すってんだ？」

ｵｰｳｪﾝ「一先ず牢屋にぶち込む」

『口が悪い』

騎士団にいて丁寧な言葉なんて使う必要ないのはわかるけど、貴方も一応一国の王子なんだよねぇ。
国民の前では気をつけようか。

ｵｰｳｪﾝ「ん゛んｯすまない。作戦を考えるのは、Aに任せていいな？」

『…兄さんの電伝虫を貸してほしい』

ｵｰｳｪﾝ「今か？」

『今。とりあえず1番隊に城下を固めるよう連絡する。親衛隊が攻めて来る前に』

この国には国家を護る騎士団とは別に、国王の身辺を護る親衛隊という部署が存在する。
もはや国王を護るためなら他の犠牲はいとわない過激部隊と化しているけれど。

『…ああ。隊長。唐突ですまないけれど、今から国王の座を奪いに行くから準備してくれ。うん。親衛隊が攻撃してきたら？そんなもの。どんな手を使ってもいいから国王から引きはがすんだ。

…ああ、でも殺してはいけないよ。全員まとめて牢屋に入れてしまうからね。1番隊は、城下で待機。会図をしたら城内に乗りこんで。その他の部隊は僕達と合流を。誰一人として殺すな。……以上だ』

親衛隊を片すだけならば問題ないだろうが、城の中には使用人がいるのだ。彼らを守りながら闘うのは少し骨が折れる。

それに、国民の中には国王擁護派だっている。乗りこんでくる可能性も十二分にある。

ｵｰｳｪﾝ「…お前も人のことを言えないくらい過激だな」

『……はて。何のことだろうね』

僕と兄さんは今、きっとそっくりな笑顔をしていることだろう。

ﾙﾌｨ「やっぱりお前、仲間に欲しいな！」

ﾅﾐ「今そんなこと言ってる場合じゃないでしょ！」

ｵｰｳｪﾝ「……Aを海賊に？」

ｳｿｯﾌﾟ「い、いやぁ！そういう意味じゃねぇよな！？」

兄さんが怒っているとでも思ったのかウソップさんが焦って返事をする。
多分だけど、そういう意図で言ったんじゃないと思う。

ｵｰｳｪﾝ「麦わらのルフィ。君に頼みがある」

ﾙﾌｨ「！なんだ？」

ｵｰｳｪﾝ「弟を、Aを、君たちと一緒に連れて行ってくれ。もう、自由にしてやりたいんだ」

ﾙﾌｨ「おう！！！もちろんだ！！」

『……僕は今のままでも十分幸せなんだけどなぁ』

嘘だ。
その証拠に、今の言葉を皆に届くように言うことができない。

僕の声は空気に溶けていった。

　