One More Kiss【神谷健太】

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健太 side









さっきの俺、そんなにやばかったのかな...


確かにAのことであんなになったのは初めてだったし
Aにあの姿を見せるのも初めてだった




『お兄ちゃん､難しい顔してるよ？大丈夫？』


健太「ん？うん､大丈夫！」


『そっか､よかった』




だめだ、なんかいつもより更にかわいく見える

エプロン着けたまま俺の前に座ってもぐもぐ食べてるAって
最強で無敵にかわいい





『あのねお兄ちゃん､相談､なんだけど...』


健太「なあに？」


『私、その...そろそろ一人で暮らしたいな､って』


健太「え、？」


『いやもちろんっ､お兄ちゃんと離れるのは寂しいけど､でも...彼氏もほしいし』


健太「彼氏...」




Aが俺から離れる...

Aに彼氏ができる...





....絶対やだ



今までAに彼氏なんて許さなかったし
今も許さないし


まず俺から離れるなんて､



健太「...だめ」


『...ですよ、ね〜』




そんな､あからさまにガッカリされたら
俺が邪魔みたいじゃん


俺がいるから彼氏ができないとか
俺がいるから一人暮らしできないとか


まあ、俺のせいなのは間違ってはないけど...




健太「俺、Aがいないと何にもできない」


『お兄ちゃん...』




困らせてごめんね
わがままなお兄ちゃんだよね､俺って
自分でも気づいたよ
妹のこと愛しすぎだって



健太「...俺、Aと一緒がいい」


『...わかったよ、ここにいるね？』


健太「わがままな言ってごめんね？ありがと」


『もうどっちが年上かわかんないね(笑)』




そうやって見せるかわいい笑顔も

俺だけ独り占めしたいんだよね

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