妖怪ウォッチ 『生け贄少女と化蜘蛛様』 【土蜘蛛】

弐 ページ4

＿＿＿里にて



(女１)「隣の里が火事でなくなったらしいよ？」



(男１)「それが、ただの火事じゃねぇらしい。」


(女２)「何でも、命からがら逃げてきた女の話だと、＿＿＿＿＿＿






＿＿＿＿＿＿”化け物“に食われかけた


って。」




　(………化物……)



(女3)「何でも、でかい蜘蛛の化物で、人里に現れては、自分に従わなかった者を食い殺したそうだよ。」



(女1)「怖い話だねぇ…。」




(男2)「まぁ、俺達の里には、守り神様がいらっしゃる。大事ないだろう。」




(女1)「そうだよ。私等には、守り神様がいらっしゃるんだ。」



　そう言っている人達を横目に、私は
白装束に袖を通し、着付けをしている。




(……まただ。)



＿＿＿＿俺達は生き残れる。



　そんな、なんの代償も無しに成り立つ平穏なんて都合のいいことがある訳がない。



(貴方方は生き残れる。けど、私は……＿＿＿＿。)








　この里の安否は、この私に掛かっているのだ。





(男3)「天女と呼ばれているほどの女だ。きっと大丈夫だ。」



　嫌らしく私の体をなめるように見る目線に悪寒がした。



　私は、




村の安泰のため






家族を守るため、






自分の人生に終止符をうつため。







今夜、守り神の【生贄】になります。

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