妖怪ウォッチ 『生け贄少女と化蜘蛛様』 【土蜘蛛】

壱 ページ3

＿＿＿？？？



　薄暗い闇夜に、紅く染まった村が不気味に照り輝いている。





　地面も血に濡れ人間だったモノが転がっていた。





　ある大きな屋敷のなかで生き残っていた男がこの景色を作り出した“化け物”から逃げていた。



ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰだが





「た、助けてくれっ……いの、ちだけっはっ……っあ"ぁぁああああ！」



　その最後の生き残りはあっけなく実に簡単に死んでしまった。


「つまらんな。」


化け物は、ゆっくり口を開いた。そしてとどめをさした男をその口にほおりこみ一飲みにした。


「弱い、弱い弱い弱い弱い弱い弱いっ！！！」


　苛立ちを覚えた声がもう誰もいない屋敷に響く。


「……」



　
　化け物の姿は少しずつ変化してい、
人の姿になった。



　月色の目をした、凛々しい青年の姿だった。だが、その目は影を帯びていた。


「吾輩より、強いやつはいないのか？」



ずいぶんとつまらなそうな顔をして、その屋敷を後にした。


・




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　燃え盛る家、泣き叫ぶ人、血塗られた村。



ここ最近、その光景が多い。


山賊の仕業ではない。




獣の仕業でもない。






　この化け物。【土蜘蛛】の仕業である。





「洞窟に、戻るか………。」



土蜘蛛は、転がっている死体に見向きもせず、闇に消えていった。

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