合流３ ページ14
「この霧の中、こんなスピードで走って大丈夫？」
口から魂が抜け掛けている私の様子を知ってか知らずか、敦君が怯えながら問い掛ける。
「横浜の地形は全て頭に叩き込まれている。暗殺のスキルは異能力とは関係ない。夜叉が追いつく前にできるだけ距離を稼ぐ。迎撃するにしても、まずは体勢を立て直さないといけない」
「ソウダネ……体勢、立て直す、大事……」
「Aさん！？」
異能を使うまでもなく、(車酔いで)瀕死になっている私を敦君が介抱しようとしてくれる。でもこのスピードの中で動き回るのは危険だよ。
仕方ない。軽率に使うと多方面に怒られるから使いたくなかったけど――。
――異能力『道化の華』
「大丈夫、なんとか異能で感覚を正常化させた」
寧ろ、自分の感覚を誤魔化している。だが、余計な情報は漏らさない方が良い。
急に起き上がった私を見て敦君はぎょっとしていた。多分入水から助けた時の太宰さんと同じ様な起き上がり方だったからだろう、ごめんて。
そして敦君は異能が分離している現状を改めて思い出したのか、自嘲気味に零した。
「……昔、自分が異能力で虎になって暴れてたって知ったときは、そんな力なくなればいいのにと思ったけど、まさかその虎に襲われる日が来るなんてね……」
一方、鏡花ちゃんは覚悟を決めた眼差しをただ前へ向けている。
「両親を殺した夜叉白雪を、味方だと思ったことはない。敵対するなら倒すだけ」
調査不足で鏡花ちゃんの両親を救えなかった事を思い出す。謝罪したところで鏡花ちゃんは知らぬ問題だし、如何しようもない。私が下を向いた直後、車の天井から金属音がした。
「来た」
直後、天井から刀が突き破ってきた。
「わっ、……と！」
私と敦君は何とか躱した。鏡花ちゃんはハンドルを切ることで刀の持ち主である夜叉を振り落とそうとする。次は刀が鏡花ちゃんを狙う。鏡花ちゃんはそれを躱すと、数瞬の隙を見逃さずに敦君の首を掴んで車内を飛び出す。私も同じタイミングで出る。乗り主を失った車は電柱に激突した途端爆発した。
その爆風が巻き上げる土煙が丁度煙幕の様になる。
着地に成功した鏡花ちゃんは既に短刀を構えていた。
土煙を剣圧で散らした夜叉白雪が襲い掛かるのをものともせず、鏡花ちゃんは短刀で弾く。
銃を構える敦君に向かって叫ぶ。
「敦君、その銃
「えっ？ あっ……！」
慣れない銃器に手間取っている敦君に、鏡花ちゃんは叫んだ。
「行って！」
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夢秋(プロフ) - 蒼さん» ありがとうございます！ 一歩間違えたら夢主ちゃん太宰さんに閉じ込められるくらい無茶してます。早く起きないかなー（どの口が） (6月21日 3時) (
レス) id: 9185832e78 (このIDを非表示/違反報告)
蒼(プロフ) - 主人公ちゃんんんん目覚めないと太宰さん泣いちゃうよ！？！？ついでに私も泣くよ！？(？)BEASTめっちゃ好きだけど！！作者様へ神作品です最高ですありがとうございます (6月13日 12時) (レス) @page50 id: 699f0917a9 (このIDを非表示/違反報告)
夢秋(プロフ) - いけるしかばねさん» ありがとうございます！ これからしばらくリメイクに入るので実質回想シーン→BEASTで夢主なかなか起きないことになります( ͡ ͜ ͡ ) (2023年2月3日 14時) (レス) id: 28dc9b7eb5 (このIDを非表示/違反報告)
いけるしかばね - ぬあぁぁああ起きろよ主人公！！いやbeastもいいけど嬉しいですけど！！！ 続き楽しみに待ってます頑張ってください！ (2023年1月31日 16時) (レス) @page50 id: c9b27d8eb7 (このIDを非表示/違反報告)
夢秋(プロフ) - 蒼月さん» ありがとうございます！！ イベントとか終わったらぼちぼちリメイクしながら再開します！！ (2023年1月24日 2時) (レス) id: 9185832e78 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢野秋 | 作成日時：2021年11月1日 2時
