甘いひととき ページ9
「おいしーっ」
Ｑちゃんはクレープを堪能していた。デザートを食べに来たはずだが、Ｑちゃんはツナクレープを選んでいた。『わん！』で食べてたのもツナクレープだったな、そういや。
私はその横で『自家製ホイップ塩キャラメルバナナ＆カスタード』を食べていた。この甘さが無性に欲しくなる時ってあるよね。
暫くホイップなどの甘い香りが漂っていた。
「Ｑちゃん、タピオカだって！」
「タピオカ？ 黒いつぶつぶ？」
Ｑは写真をじっくりと見ながら訊いてきた。
「もちもちした蒟蒻みたいな食べ物だよ。このお店のタピオカは黒糖混ぜてるんだって」
私がメニューの説明書きを指差しながら云うと、黒糖に惹かれたのかＱちゃんは「飲む！」と云ってドリンクを選び始めた。
黒砂糖好きのＱちゃんは、ドリンクも黒糖ミルクを選んでいた。私も同じ物を頼んだ。店員のお姉さんの気前が良く、二人合わせて二百円ほど負けて貰った。Ｑちゃんが可愛いからだと思う。自慢の弟です。
「もちもちしてる！ 何これ！ おいひぃ〜」
Ｑちゃんは頬に手を当ててもぐもぐとしていた。
「喉に詰まらせないようによく噛んでね。……ん、うまぁ」
二人して、戦争中である事を忘れたかのように表情が蕩けきっていた。
潮風が私達を撫でた。私はＱちゃんの帽子に触れた。
「飛ばされちゃうところだったよ。直しとくね」
「ありがとう」
私は帽子を被せ直した。Ｑちゃんはまたもちもちと、タピオカの食感を楽しんでいた。
「じゃあね、Ｑちゃん」
「うん。また今日のお店一緒に行こうね！」
Ｑちゃんとは横浜駅西口で手を振って別れた。Ｑちゃんは南幸橋の方に歩いて行く。
原作でＱちゃんがラヴクラフトと遭遇した場所だ。ドン・キホーテ横浜西口店が目印。因みにアニメ版では山下臨港線プロムナードが遭遇場所となっているが、南幸橋からは徒歩で四十七分である。
横浜って広いよね。
聖地巡礼する方は、一日で回れるわけがないので旅行の日取りはきちんと取っておいた方がいい。私も無理のない聖地巡礼には何日か掛けた。横浜住みのアドバンテージは大きい。宿泊施設を利用する必要が無いから。
私はＱちゃんの姿が見えなくなると、日本のサグラダ・ファミリアと名高い横浜駅に入った。
くらり。
私は近くの壁に手をついてしゃがみ込んだ。
私は咳き込んだ。
掌には紅い液体が薄らと付着していた。
それをウエットティッシュで拭った。
ごめんね、Ｑちゃん。
約束、破っちゃった。
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夢秋(プロフ) - 百笑咲夜さん» お恥ずかしながらその事実を全く知りませんでした。二次創作自体グレーなものですので、今後お気をつけて楽しい創作ライフを送ってください！ (2023年1月21日 0時) (
レス) id: 9185832e78 (このIDを非表示/違反報告)
百笑咲夜 - 初コメ失礼致します。プリ小説というアプリで活動していた者です。感想じゃなくてすみません。主様の作品とほとんど同じ内容の小説をプリ小説で書いていました。すぐに小説は削除します。大変申し訳ございませんでした。 (2023年1月7日 19時) (レス) id: f1d74042d6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめのあき(プロフ) - ユキさん» 応援ありがとうございます！ クトゥルフのSANチェックがアレですからね……そして夢主ちゃん、元々勝手に姉を名乗っています。どこかの十人兄弟の長兄のようになってますw (2021年8月19日 21時) (レス) id: e1a96e1817 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - とても面白いです！SAN値チェックがあったの笑いました。「どけ！！！！私はQちゃんのお姉ちゃんだぞ！！！」が好きですｗｗｗ１D１０/１D１００には驚きました。ラヴ君、恐るべし・・・。頑張って下さい！最新待ってます！ (2021年8月19日 21時) (レス) id: c2037b5d01 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめのあき(プロフ) - 夢女子S氏さん» ありがとうございます！！ やったー！！ 頑張ります！ (2021年8月13日 2時) (レス) id: e1a96e1817 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢野秋 | 作成日時：2021年8月7日 20時
